北朝鮮の反乱軍を装った兵士が福岡ドームを占拠、高麗遠征軍と名乗り、福岡県を日本から独立させる・・・荒唐無稽のようで案外現実に起こりそうな気にさせる話で、ついつい引き込まれる。しかしそれにしても、最初の登場人物一覧を見ただけで１００人以上出てきて、ちょっと、萎えた・・・。
内容としては、既存「大メディア批判」を展開、中でも「朝日新聞」を名指し。腰抜けのインテリと挑発している。左寄りの姿勢の代表として、「こんな状況になっても戦わないのか！」と挑発しているように感じた。
著者の村上龍自身が九州出身だということと、地理的に朝鮮半島に近いから、福岡を舞台にしたのか？ロシア軍が攻めて来るという設定なら、北海道が舞台になったかも。『希望の国のエキソダス』の舞台は北海道だったが・・・。
地方と中央の関係にも問題提起。そして、人を殺すということ、ハダカだらけのニホンのモラル。緊急時の指導者に求められる判断とは？アウトサイダーの存在、アメリカ追従の日本への批判。ディストピアとしての日本の提示、と盛りだくさんの小説である。
それにしても、タイトルは「半島をデヨ」と読むのだろうか？それとも「半島をイデヨ」と読むのだろうか？語感から言うと「イデヨ」なのだが。 |
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