著者の山田俊雄先生から、息子さんの貞夫氏を通じていただいた本。『木語(もくご)』という俳句雑誌に連載していた言葉のエッセイをまとめたもので、1999年に出た『詞苑間歩』(上・下)に続く本。で「続」とある。
言葉に対する著者の深い造詣がにじみ出てくると共に、常に「生きている言葉」に神経を張り巡らせ、そのアンテナにひっかかる言葉についてじっくりと考える姿勢には、本当に頭が下がる。そんな中で、私も気になっていた言葉を、山田先生も取り上げてらっしゃった。それは、
「等身大」
という言葉の使い方である。私も「平成ことば事情」で2度にわたって書いたが(ことば事情1344「等身大の幸せ」、ことば事情1820「等身大」)、山田先生は、こうまとめてらっしゃる。(旧字体は新字体に変えました)
「等身大といふのが、なぜにその意味を変じて好まれるのか、これはニホンの近代の原語意識の、特に漢語について感じ方の大きな変化のやうに見える。あるいは人生観の変化か。」
言葉の海は広く、深い。 |
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