この1か月は「フジテレビVSライブドア」に世間の耳目が集中してしまったが、その前の数か月は「NHK対朝日新聞」というメディアの対決に世間は注目していた。それがたった数か月で忘れ去られようとしているのが怖い。
著者は、元朝日新聞記者と元NHK記者で、本書は「NHK対朝日新聞」の抗争が始まる前に出版されている。というより、この抗争のきっかけとなった、朝日新聞が記事で取り上げた「女性国際戦犯法廷を取り扱った番組をNHKが改竄した」ということについて、この本では取り上げている。朝日の記者はこの本をネタ本として記事を書いたのでは?と思ってしまうほどである。それ以外にも、NHKと朝日新聞という日本を代表する「大メディア=組織メディア」の問題点を、具体例を挙げて取り上げている。
すでに組織メディアを引退した元・身内として、その行く末を案じるが故の厳しい視点での文章は、メディアに所属する者、必読ではないか。
本書を書くにあたって、著者二人はそれぞれ朝日新聞社長とNHK会長に取材を申し入れたが断られたという。そのあたりにも大メディアの「おごり」があったのではないか。 |
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