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『希望格差社会』
(山田昌弘、筑摩書房:2004、11、10)
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「パラサイトシングル」の名付け親、東京学芸大学教授の山田昌弘さんの著書。サブタイトルは「『負け組』の絶望感が日本を引き裂く」。
この本は、「ニート」や「フリーター」に関して考える上で参考になればなあと思って読み出したのでした。
ざっと見て、これは難しそうだと思って、赤ペンを右手に持って線を引き引き読みました。そうでないと、なかなか読み進めない。つまり教科書を読むみたいな感じの読書になってしまいました。
要約すると、これまでの年功序列の日本社会というのは、会社や家族や地域社会が、いろいろ拘束はするものの、いろんなリスクから守ってくれていた、そして万が一、リスクを背負うことになっても、それを緩和する組織であってくれたのだが、二極化する日本社会ではそういった組織が解体されていき、リスクに関する「ショック・アブソーバー」がなくなってしまったことが問題だという。職業の不安定化、家族の不安定化、教育の不安定化によって「希望」が喪失してしまったというのです。
希望を取り戻すためには、何をすればいいか?
それは223ページから最後のところを読んでください。ただひとつ、「自己責任強調」と「懐古主義」の危険性を、山田先生は挙げていることだけは記しておきましょう。「解雇主義」ではないですよ。

★★★
(2005、1、3読了)
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