私は逢坂剛ファンではあるが、西部劇や拳銃には、余り興味はない。
数年前に「トゥームストーン」という西部劇映画があった。「トゥームストーン」というのは「墓石」のことだというのは知っていたが、それがそのまま、OK牧場の決闘の舞台となる町の名前だとは知らなかった。その程度なのである、私の興味は。
この本は、逢坂剛が彼の趣味である西部劇、特にOK牧場の決闘に関してのこれまでの研究成果を、なんとか読み物の形にして、一般の西部劇に興味のない人にも読ませようとしたものではないだろうか。
途中までは、本当に論文である。会話形式をとってはいるものの、興味のない人には、ややこしくて退屈。小説と言えるのか?これは。
だから、ちょっとしんどかったねー、読み進むのは。面白いことは面白い。さすが、直木賞作家。興味を先へとつなぐのだが・・・・何も起きない。いつまでたっても。500ページを超える本の半分ぐらいまで、期待を持たせながらも、なかなか話が前に進まないのだ、小説としては。論文としては進んでいると思うが。重い。
主人公の岡坂神策は、この物語に使わなかった方が良かったのじゃないかなあ・・・。
で、この本、毎日新聞社から出ている。もしや・・・と思って見てみたら、やはり、毎日新聞で連載されていたのである。2002年11月1日から2003年12月27日まで。ふーん、しんどかったんじゃないかなあ・・・。
逢坂剛の本は、毎日新聞社、新潮社、講談社、集英社など、大きな出版社からそれぞれ違うシリーズで出ていて、それだけ書き分けるのも大変だろうな、すごいなと思う。
これだけつまらないと書きながら、きっとまた逢坂剛の本が出たら買う。そして読む。
なぜなら、ファンだから。 |
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(2005、1、1読了) |
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