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『言葉の常備薬』
(呉智英、双葉社:2004、10、30)
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呉智英(くれ・ともふさ)と言えば『バカにつける薬』以来、切れ味のある辛口批評で高名だが、最近は朝日新聞のコラムであるとかで時々その文章に接していた。その受けた印象によると、辛口にユーモアが混じるようになって、「甘・辛口」になっているかな、と感じていた。その呉さんの最新刊がこの本。既に11月14日の朝日新聞書評で宮崎哲弥が、『週刊文春』12月2日号の「文春図書館」で出久根達郎が、書評を書いているが、いずれも甘口。大いにほめている。この本、装丁がいいですよね。ロゼッタストーンとおぼしきものが暗闇の中に置かれているような雰囲気が、タイトルと合う。タイトルの「言葉の常備薬」の上には、なぜかドイツ語でもタイトルが(直訳でしょうが)記されていて、インテリっぽさが出てますよね。1200円という値段も手ごろ。普通、1500円ぐらいにしちゃうところじゃあない?
で、この本を読み始めてビックリ!いきなり、私の知り合いの産経新聞の校閲部長・塩原さんのことをケチョンケチョンに書いているではないですか!うーん、知り合いのことを、著名人がこうやって書物でけなしているのを見ると、ちょっとドキドキするなあ・・・。
それはさておき、内容は大変おもしろくためになるものです。かなり私の「平成ことば事情」とネタがカブるものもあるので、その辺は随時「平成ことば事情」でも紹介しようかなあと思っています。中野豪さんのイラストもピッタリでワサビがきいています。これで1200円は安い!と太鼓判です。

★★★★
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