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『なんのための日本語』
(加藤秀俊、中公新書:2004、10、25)
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言葉の専門家ではない著者は、社会学の立場から過去40年にわたって日本語について、さまざまな提言を繰り返してきた。しかし40年経った現在、同じことを繰り返し言っている。そのことは著者自身、1967年に書いた「日本語知らずの日本知らず」というエッセイで書いていて、現在の著者の主張も同じ。で、著者いわく、
「なんのことはない、わたしはおなじことをこれまで四十年ちかくなんべんとなくくりかえしてきただけだったのだ。」
この徒労感・・・。しかしそれだけ日本語は「発展途上語」だと考えて、今後の可能性についても記している。
「國語から日本語へ」「ごちゃまぜ言語」「日本語のくみたて」「はなしことばと文字ことば」「文字と表記」「日本語の責任」など目次を見るだけで、どれ読んでみるか、と思わせる項目ばかり(私にとっては)。
日本語について興味のある人は、読むべし。


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