著者のテレビリポーターという大村正樹という人、どんな人かなと思ったら、元・鹿児島放送アナウンサーで、現在はフリーアナウンサー。フジテレビの「とくダネ!」に出ていると。写真を見ると、「あ、そういえば見たことあるような・・・」という人だった。1967年生まれ。
2003年の6月、イラク戦争終結から2か月後の現地の様子を取材したもの。以前、イラクを、夏休みに小学生の子供を連れて訪れた人の「絵日記本」を読んだ時は、「危ないのに、何しとんねん!」と怒りを感じたが、今回は「命を掛けての仕事」ということで、しかも大人だけだから、もちろん認める。
本は見開きで一枚の写真が必ず載っているので、「写真日記」のような感じ。庶民感覚で・・・とは言え、アナウンサーであるからジャーナリストの端くれ(失礼!)でもあるわけで、まあ、そういった「プロの戦場ジャーナリストではない」目線で捉えた生のイラクの様子が赤裸々に記されている一冊と言えよう。(あ、この「〜な一冊」という言い回し、便利だな。このところ私は立て続けに使ってるな。書評用語の慣用句のような気がする。)
なんと言っても表紙のカラー写真、そしてこの本のカメラマン渡部陽一の「最後の一枚」とした246ページにある、おやつを食べるイラクの少女の写真がいいね。イラクであろうが中国であろうが日本であろうがアフリカであろうが、子供たちは一緒だな、世界は一つだな、と思わせてしまう一枚だね。
今日、また日本人がイラクで拘束された。イラクの人たちが平和な生活を送れるのはいつの日か・・・。
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