青色発光ダイオードの発明で一躍有名になった中村修二氏。発明者の権利として、実に200億円もの巨額の利益を受けられる権利があるという判決を受けた、徳島の一中小企業(?)の技術者の存在は、エンジニアでもない我々にも"夢"を与えてくれたと言えるだろう。
現在はアメリカ・カリフォルニアに住む中村氏が、青色発光ダイオードを開発して見えてきた日本の姿、会社組織は?人のつながりは?
そういった視点とともに、孤軍奮闘する中村氏の様子が手に取るようにわかる。物書きではない彼が自らの姿を記す様子は非常にわかりやすく、人物が浮かび上がっているように思える。
本の帯の「研究に没頭するために支払った代償はとてつもなく大きかった。そして・・・」
という文を読むと、ついついこの本を手に取りたくなる・・・よね?
この本は2001年4月にホルム社から出て、今回集英社文庫に入ったもの。中村氏が3年前にこんな本を書いていたなんて、ちっとも知らなかった。
それにしても、タイトルにある「怒りの」という言葉は、中村氏の"日本"という組織に対して積もり積もった感情を代表しているようで、「怨念」のようなものを感じる。
そう言えば、島津製作所の田中さんは、大丈夫だろうか・・・。
なおこの本も、アテネ五輪取材に向かう機中で読破した。
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