『週刊新潮』に連載されている、人気コラムの単行本化。著者の斎藤由香さんは、実は作家・北杜夫の長女。最初コラムを読んだときは、「この人は一体誰なんだろうか?」と思っていたのだが、その後、北氏の愛娘と知った。私より1つか2つ年下の同世代。独身の模様。サントリーに勤務、現在、人気沸騰中の「マカ」という精力剤・・・・ではなく健康食品を販売する部署にいるとのこと。自ら「窓際OL」と証する人とは思えない、力の抜けたこなれた感じの文章は、さくらももこ氏のイラストとあいまって、とても普通のOL、しかも窓際OLに書ける文章ではない。そこはやはり「血」なのか。この本全部が、週刊誌連載分の採録かと思ったら、後半は、父・北杜夫をはじめとする「家族の肖像」を描いたもの。その中に、著者が小学生時代に、父・北杜夫と大晦日に「デート」した思い出が記されている。そのときに著者が「カニ・サラダが食べたい」と言い出して入った場末の食堂で、出てきたカニ・サラダが、とっても貧弱だったというエピソードを書いていた。これは私が中学時代、北杜夫ファンだった時代に北のエッセイで読んだことがある話だったので大変懐かしく感じるとともに、なぜか西原理恵子の漫画(「ぼくんち」など)を思い浮かべたのだった。 |
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