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『箸とチョッカラク〜
ことばと文化の日韓比較』
(任栄哲、井出里咲子、大修館書店:
2004,5,1)
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「チョッカラク」というのは韓国の金属製のお箸のこと。韓国に行くと食堂などで出てくる。木のお箸に慣れている日本人には重いしすべるし使いにくい。なんで金属なのか、というのは、以前、産経新聞に連載されていた「日本語と韓国語」というコラムに書いてあった。韓国(朝鮮)では、その昔、宮廷の貴人がよく毒殺された。それもヒ素で。そこで、食べ物に毒が入っているかどうかを調べるために金属(錫)の箸にしたとのこと。時代が下がって、一般家庭でも貴族に倣って金属の箸にしたと。ただ、別に毒は入っていないから錫である必要はなく、一般的に使われている箸(=チョッカラク)の材質は、錫ではないそうだ。
お隣の国だから似ているところも多いが、やはり違う国なのだから違うところもたくさんある。近くて遠い国と言われる所以(ゆえん)である。この本はサブタイトルに有るとおり、言葉だけではなく、文化全般にあたって日本と韓国の違いを実体験に基づいて書かれているので興味深い。たとえば、テレビでアシスタント的な女性が、男性キャスターの横でうなづいている仕草、というのは韓国やアメリカにはないそうだ。「『うなずき美人』の≪共話≫機能」(59〜60ページ)というところで、「おもいっきりテレビ」を例に挙げて書かれていたが、おもしろかった。
なお「チョッカラク」の最後の「ク」は小さい「ク」なのだが、こういう表記の方法もあるんですね。母音の数からして日本語と韓国語は違うのだから、その表記もなかなか難しいのだな、と改めて思った。

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