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『日本政治の決算〜角栄vs.小泉』
(早野透、講談社現代新書:
2003,12,20)
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早野透と言えば、朝日新聞を代表するコラムニストとして有名・・・かどうかはわからないが知る人はみんな名前を知っている人だと思う。周りで聞くと誰も知らなくてガッカリしたのだが。
その早野さんが「日本政治の決算」と名づけた著作、しかも帯に「連立政権10年の功罪」とあれば、しかも「まえがき」には、ついこの間の2003年11月9日の衆議院選挙のことが書いてあれば、現在を知るために必読の書と購入し読み始めるのも当然と言えるであろう。しかし本書のプロローグ「漂流する政治状況」の書き出しは、
「わが息子の一人はいわゆる『引きこもり』になって長くなる。」
という文章で、早野さんが日本の政治状況を大上段に語ると思っていた読者(=わたし )は「おや?」と肩透かしを食ったような形だ。その後もこれまでの取材経験の中で記される事実の合間に、文体の違う「本音」と思える心情の吐露がそこここに散見できる。
この本は、単なる「日本政治の決算」ではなく、「政治記者・早野透の決算」のようなものなのかもしれない。

★★★
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