(勝手に)ひいきにしている斎藤美奈子さんの本。「アエラ」に連載されていたらしい。男性誌31誌を、斎藤美奈子の目でチェックしようというものである。あわれ、その俎上に上った男性向け雑誌は、5つの章に分類、紹介されている。目次からその雑誌を並べてみると・・・・「世の中を読む」(週刊ポスト、プレジデント、日経トレンディ、文藝春秋、週刊新潮、週刊東洋経済、ダカーポ)、「余暇を愉しむ」(ナンバー、週刊ゴルフダイジェスト、サライ、日経おとなのOFF、ダンチュウ、ニュートン)、「センスを磨く」(メンズクラブ、エスクァイア、ブリオ、ナビ、ブルータス、レオン)、「趣味に生きる」(ヤングオート、月刊へら、ターザン、バサー、鉄道ジャーナル、丸、山と渓谷)、そして「若さをことほぐ」(ホットドッグ・プレス、東京ウォーカーシリーズ、週刊プレイボーイ、週刊スパ、メンズノンノ)。ハアー、疲れた・・・。
読んだことがあるものもないものもあるが、なんですか、「月刊へら」。力抜けます。なんでも「へらぶな釣り」の雑誌らしい。へらぶなは「つり堀」で釣るらしい。ああ、そう言えばそんな雑誌を本屋で見かけたような。釣りをしない僕には、何やらわかりませんが、同じく釣りをしない斎藤さんは果敢に切り込んでいく。つり堀とパチンコ屋は同じだと。なるほど。パチンコもしないからな、俺は。わかんねーや。
また、以前私も「ことば事情」に書いたのですが、軍事雑誌「丸」に吉田昭彦さんという人が書いた「空襲と空爆の違い」についての記事もピックアップされています。
あと「週刊プレイボーイ」は学生運動崩れが編集していると見た、とか、「『ナンバー』の文章は読みにくい」だとか、「『ダンチュウ』は、男の料理であっても人に食べさせるのではなく、自分が食べたい料理しか載せない」だとか、バッサバッサと斬っていきますです。笑えます。
あ、それと今読み出した田中克彦『ことばとは何か〜言語学という冒険』(ちくま新書:2004,4,10)のあとがきに(あとがきから先に読んでいるのですね、これが)、
「これがもっと情け容赦ない斎藤美奈子さんの口から出るとどんなぐあいになるか。彼女によれば、言語学なんて『本当のところは何をやっているのかよくわからない学問領域』なのだそうだ。私の『言語学の思想』の新版が岩波現代文庫版で出るにあたって、その解説を美奈子さんはこう切り出したのだ。」
と書いてあってビックリ!斎藤美奈子と田中克彦が結びつくとは思いませんでした。おそれいりました。 |
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