『新聞と現代日本語』
(金武伸弥、文春新書、
2004,2,20)
著者の金武さんは、元読売新聞校閲記者で、現在は日本新聞協会用語専門委員で成城大学短期大学部非常勤講師。実は私は新聞協会の用語懇談会で、ここ数年お世話になっている。
この本は、新聞記者として生きてきて、新聞でどういった漢字を使うのか、字体はどう扱うのか、漢字の使い分けはどうするか、漢字の正しい読み方はどうか、慣用句などで間違って使われているものの正しい形はどうなのか、また文法的な誤りにはどういう例があるか、外国語の表記はどうすべきなのか、辞書を引いても分らない書き方に付いて、というふうに8章にわたって詳細に記述されている。中には私もその討議に加わって質問したり意見を言ったりしたことも含まれており、なんだか、用語懇談会の議事録のようにも感じられる。そして大変勉強になる。私たちのような仕事をしている者は、是非この本を机の脇に一冊置いておいて、ことあるごとに開くようにすべきだと思う。金武さんには『「広辞苑」は信用できるか』という、国語辞典の比較検討をして点数をつけた著書もある。こちらも一読の価値アリ。
(追記)
文藝春秋社の出している『本の話』という雑誌、本当は一冊100円だけど、よく書店のレジのところに「ご自由にお持ちください」みたいな感じで置いてある小冊子ですが、それの3月号に読売新聞校閲部次長の関根健一さんが「日本語の最前線から」と題して『新聞と現代日本語』について「『現代日本語』はどうあるべきかという大きな問題をも考える手がかりを与えてくれるはずだ。」と書いています。
(2004、4、7)
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