おなじみの迷コンビ、阿川佐和子と檀ふみの対談集。初めて会ってから２２年。その間に対談や共同執筆した本などで、いまや「愛と罵倒の名コンビ」と言われる二人の、昔からこれまでの対談を順を追って収録したもの。
でも・・・３６６ページ長すぎる。一貫して「愛と罵倒」ですから、さすがに食傷気味・・・。読みながら別のことを思い浮かべていた。この二人ってもう５０歳（！）なのだけれど、独身。バリバリ仕事をこなす有名人。これって、「負け犬」ではないのか？「負け犬の遠吠え」を平行して読んでいたこともあったのだが、まさにこの二人は「負け犬コンビ」であり、この対談はまさにまさに「負け犬の遠吠え」なのである。二人と関川夏央、山口文憲という４人の「独身男女」が話をしている様子が収められている中で、阿川の発言に対して山口がこう言っている。
山口「でも、それは典型的な『シングル強者』の論理ですね。」
檀「『シングル強者』って？」
山口「『シングルがいい』などといって調子にのっているのは、結局のところ、恋愛市場の勝ち組で、力のあるプレーヤーばかり。『そういう連中に、俺たち、あたしたちの孤独なんてわかるもんか』という弱者の批判があるわけです。」
関川「ああ、それは言えるよね。ほらテレビで、嫁不足の島の青年たちなんかがお見合いする番組があるじゃない。みんなすっごい健気でさ。ああいう切実感は、たしかにないね。」
阿川「モテなかったことがないから？」
山口「いや、シングル強者の定義は現実にモテるかどうかじゃないの。はたからみればもう単なるジジイ、ババアなんだけど、なぜか『あたしゃ、その気になれば相手なんかいつでも』って自分で思える人。そういう人がシングル強者」
というところがあるんだが、この山口が言う「シングル強者」こそ、酒井順子のいう「負け犬」なのだ。つまり一般的には「強者」「勝ち組」に見られるのだが、こと「結婚」というモノサシで見ると「負け犬」になってしまう人を指すのである。もう、間違いなく阿川佐和子さんと檀ふみさんは「負け犬」である。
あれ？何の本を読んだんだっけ？ |
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