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『老兵は死なず〜野中広務全回顧録』
(野中広務・文藝春秋、2003,12,20)
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野中広務・自民党元幹事長の回顧録。昨年11月の衆議院選挙を前に引退を表明した野中さん。衆議院選挙では後継者指名した田中英夫候補の応援にかけずり回っていました。私は衆議院選挙特番で、その田中候補の事務所から中継を担当したので、野中さんを間近で目にすることもありましたが、まあ、なんともお元気。78歳の「おじいさん」にはとても見えませんでした。どう見ても10歳ぐらい若く見えます。
初めて、野中さんという政治家を意識したのは、阪神大震災の際の自治相として、震災対策を担当された時。かなり「辣腕」、リーダーシップがあるという感じがしました。
自民党という政権政党の中枢にありながら、「戦争」ということに対しては、ご自分の戦争経験から、きわめて民主的な態度を見せるという個性を持っていた政治家だけに引退は残念な気がします。
この本を読むと、小渕政権誕生の周辺、森首相誕生への”密室”会談など、まだ引退したばかりの野中さんの話だけに、かなり生々しくフムフムとうなずける話が出てきます。
特に、この間の自民党総裁選挙で橋本派として藤井孝男さんを立てたのに、その藤井さんを押さずに小泉支持に走った、青木・村岡両氏への「憎しみ」や、小泉首相への批判は、抑えた筆の運びではありますが記されていて、興味深いところです。
と言っても、本当に今の政局に影響を与えるような「え!そうだったのか!」というような話は出てこないのですが。

★★★
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