• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民151人目
  • 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民151人目

  • 2012.08.02

 今週のアニ民は元テレコム・アニメーションフイルム社長 竹内孝次さん。そんな竹内さんと初めてお会いしたのはいつでしたっけ。やはりアニメデビュー作「ロボタン」で、僕の第一師匠・加藤俊三さん[2]について、いろいろ勉強しながら動き回っていた時に初めてご挨拶していますよね。

 今のトムスエンタテインメントとお仕事をしていると、元の東京ムービーから派生した会社や人脈の方々と接触する機会が多いことは確かです。その誰もがアニメーション制作の原点や基本を歩いてきた方ばかりで、お話する内容にいちいち頷くような含蓄と歴史が含まれることが多いです。そして竹内さんとは確か「ルパン三世 風魔一族の陰謀」でお尋ねしたことを覚えています。「アニメだいすき!」で放送したいなと思ったのです。残念ながら放送は出来なかったのですが、プロデューサーとしてのいろいろな対応などかなり勉強になった記憶があります。

 そのルパンもカリ城もあの大作「リトルニモ」も制作してきたのがテレコム・アニメーションフィルムです。竹内さんが第一線でのプロデューサーを経ての代表取締役社長になったのが1996年のこと。以来もルパンのTVSPやいくつもの作品を制作していますが、アニ民・松元さん[90]の時にも書いたように“良質なアニメ工場”のイメージがしっかり残っているテレコムさん。名探偵コナンでも「14番目の標的」や「探偵たちの鎮魂歌」などの劇場作品をかなりな制作分担割合でお願いしています。

 そんな竹内さんとしっかり作品作りの舞台でご一緒することになったのが「アニメミライ」でした。今年3月にMANPA枠で放送した「BUTA」という作品をプロデュースしたのが竹内さん。僕は参加していなかった昨年の「PROJECT A」という、言わば第一回目アニメミライでも「おぢいさんのランプ」という作品で参加されています。ご存知のように「若手アニメーター育成プロジェクト」という趣旨のアニメミライに一番最初から興味を持ち、身内なスタッフ編成を考えた上できっちり企画検討して、2年連続で企画提出してきたというわけですね。まず内容が伴わないとそもそも選出されませんから。

 「BUTA」など4本の作品の試写会でお会いした時、一仕事終えたような竹内さんの表情が忘れられません。久しぶりにお目にかかって相変わらずの辣腕ぶりに安心しました。そんな竹内さんがこのほどそのテレコム・アニメーションフィルム社長を退いたそうです。そしてこれまたこのタイミングで本当に久しぶりに竹内さんと食事をすることが出来ました。最後の写真はその食事会の様子です(左から諏訪・竹内さん・YTV伊藤アニメーション部長・アニメミライ桶田さん)。本当に久しぶりにいろんな話が出ましたが、竹内さんは「サマーウォーズ」の長野県上田市出身だそうで、いつもは日本酒党なのに地元産のワインは大好き!あたりに僕にとって別のヒットがありました。

 というわけでしばらくはお休みをとりながら、さらに海外で研鑽をつんで、これからもこの業界のスタッフを助け合っていこうとおっしゃる竹内さん。その磨き抜かれた目線でこれからも僕らの仕事や作品に、ぜひ厳しいご意見やステキなお褒め?の言葉を期待させてくださいね。