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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民152人目
- 2012.08.09
今週のアニ民は2年に一度開催されている「広島国際アニメーションフェスティバル」ディレクターの木下さんです。初めて木下さんにお会いしたのは開催されたそのフェスティバル会場、ではなくそのフェスの報道発表会場でしたね。僕はこのフェスに第3回から参加しているので、その時期は1990年5月ごろだったでしょうか。
報道会館の会議室で行われた発表会に、まるで一人で参戦してるかのようなその時の木下さんの印象は、熱い女性がいるもんなんだな、でした。このフェスが日本にとってそして世界のアニメーションにとっていかに大切なものか、それが広島を舞台に行われることがどんなに意義のあることか、文字通り拳を挙げてお話しされてたように記憶しています。そしてその事は僕の目から見ても、木下さんと多くの周りのスタッフによって明らかにちゃんと実証されていくことになります。
その当時の会場は今の会場アステールプラザの隣にある、広島厚生年金会館。開会式には広島市長もご登壇、このフェスの意義を大きく謳い上げたものでした。それからはこのフェスティバルは2年に一度、見事に開催され続けて行くのですが、その裏にはどんなにか木下さんのご苦労があったことでしょう。世界から発信される最新のそして優秀なアニメーションを実際に市民に国民に届ける。言葉では簡単でもその審査段取りやスタッフの対応、そして何より世界からやってくる審査員を含めた一流のクリエイターたちとのやり取りも想像を絶する大変さだと思います。
木下さんご自身もアニメーションクリエイターです。TVで子供向けの教育番組のアニメーション企画を多く手がけ、国際的にもアニメーションメディアを基軸にした活動を展開。僕も「ピカドン」などパートナーの故木下蓮三氏との共同作品はその多くを、このフェスで見ることができました。
僕にとってはフェスティバルの華である、会期4日間夕方6時半から約2時間半もの作品コンペティションに参加することがヒロシマのメインです。世界からのエントリー数は毎回増加しており、2004年には1539作品だったのが今年は2110作品にもなっているそうで、その中から選ばれた作品を4日間に分けて上映し、「グランプリ」や「ヒロシマ賞」など主な賞を決めるのがコンペティション。やはりポイントは芸術性というか映像のセンスでしょうね。ストーリー含めて世界共通に感じられる面白さってやっぱりあるんですよ。ここでじっくりと各国からの新しい感性を感じ、笑ったり感動したりそしてこんなもんかとあきれたりさらに感心したり。自由な想いを馳せる空間は宝物のように大事なものです。
アヌシー・オタワ・ザグレブと並ぶ世界4大アニメーションフェスティバルの一つ、広島国際アニメーションフェスティバル。全てのプログラムに「愛と平和」が謳われ、広島で8月に開催されてる意義理由も含めて、世界の注目を集めるイベントになりました。今年は8月23日から27日まで開催。会場は広島平和公園近くのアステールプラザ。写真は一昨年の会場エントランスとイベントマスコットキャラクター・ラッピィです。また楽しくも暑い熱い日々がやってきます。というわけで一番最初からヒロシマをグイグイ引っ張ってこられた木下さん、これからも世界と日本のアニメーション業界全体もさらにグイグイ引っ張って行ってくださいね。