• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民156人目
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  • 2012.09.06

 今週のアニ民は俳優・声優の平田広明さんです。

 飛ぶ鳥を落とす勢い、っていうのはこんな人のことを言うんだろうななんて思ってます。今や声優界のトップに君臨する平田さんに初めて会ったのは1997年「金田一少年の事件簿」の時でした。いつきという堅めな記者の役だったのですが、原作以上にヌケたというか憎めないキャラクターとして演じてくれて、出てる時は主役レベルの剣持警部といい対になってたような記憶があります。僕にとって平田さんは完全な役者であります。声優と役者を区別することに意味はありませんが、その舞台をいくつか見せてもらったゆえに、スタジオの中でも舞台上にいた平田さんのイメージは消えません。

 一番印象に残ってるのはやはり今は無き「三百人劇場」での「アルジャーノンに花束を。」でしょう。平田さんはこの有名な演劇の主役を演じる代表的な役者のひとりだ。と言い切って差し支えないと思います。ストーリーの流れに応じた主人公の変化の凄さにその演技に、観ていて正直トリハダがたった記憶があります。

 そんな平田さんには金田一以外に「名探偵コナン」でも何度か参加してもらってますが、「犬夜叉」での七人隊の一人・睡骨も記憶に大きいですね。どの役にも共通しているのは“ひょうひょうとしている”ことでしょうか。そして今は日曜朝7時「宇宙兄弟」の南波六太であります。宇宙に行く夢を幼い頃共通にみながら、弟に先を越されます、というより何時の間にか弟に測る事の出来ない距離をあけられてた。それをまんま平気で?受け入れていた兄が、自分の失業をキッカケに目覚め、もう一度自分のというより兄弟共通の夢を目指してゆく…。みなさんはここしばらくは密閉された空間での六太たちの活躍を見ていただいてるでしょうか。

 もう平田さんは本当にピッタリですよね。何がって、そのまんま平気で受け入れていた六太その人に。どんな立場にあってもまずご自身のポテンシャルがあるのでひょうひょうとしちゃうんです。そしてどんな訓練でも試験においてでもなんとなくあたたかく捕えどころのないキャラクターは、やっぱり宇宙飛行士にもピッタリなんじゃないでしょうか。

 そう言えば金田一の頃、平田さんにノセられてみんなで房総半島にあった海の家に遊びに行ったことがありました。題して「理想郷殺人事件」海の家ツアー。実際に金田一のオリジナルストーリーを作ってやろう、くらいの意気込みで乗り込んだのがわずか2部屋の小さな古い一軒家別荘。ひたすら飲んで笑って話して雑魚寝したあの思い出は何物にも変え難い夏の一日になりました。とにかくエライのはあんな海の家を維持していた平田さんたちということです。海辺の集落に響く時報を伝えるサイレンの音が今も耳に残ってます。

 8月5日日曜14時、大阪城西の丸庭園でのラジオ番組「スワラジ」公開録音に参加してもらいました。宇宙兄弟つながりはありますが、作品プッシュはもちろんのこと、平田さんの人となりみたいな事もラジオで語ってみたかったのです。六太の母役・田中真弓さん[100]のおかげもあって番組は大成功!収録の前後も含めて本当に楽しい時間となりました。あのアルジャーノンの舞台上の名優にもう一つ近づくことが出来たように思います。

 この春に独立して「ひらたプロダクションジャパン」をスタートさせた平田さん。さあ粋なサンジの強さで、タイガーのしなやかさで、六太のひょうひょうさで、そしてこれからも手に入れてのしていくであろう他の多くのキャラクターを重ね合わせて、この業界を強く支えていって下さいね。僕もがんばって平田さんのなるべく近くを歩んでいきますから。