• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民6人目
  • 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民6人目

  • 2009.09.17

 今週の住民はエイケン会長・村田英憲さんです。

 この時季になると思い浮かべるのが“敬老の日”です。僕の世代は絶対にそうなのですが、9月15日が“敬老の日”と決まっていたことを知っている方は多いですよね。実は1990年(90分)と1991年(60分)のその日にスペシャルとして放送したのがアニメ「コボちゃん」でした。この作品はそのあと1992年10月から1994年3月までTVシリーズとして月曜夜7時30分に放送され、さらに1994年(60分)と1998年(60分)にもその9月15日にTVスペシャルとして放送されました。

 この作品の陣頭指揮をされたのが、日本動画協会初代理事長でもありました村田さんでした。フジテレビ「サザエさん」はあまりにも有名ですが、村田さんの名前が由来の制作会社エイケンとYTVのお付き合いは1972年「おんぶおばけ」、1973年「冒険コロボックル」などがありました。でも1985年に初めて上京した僕は村田さんとは完璧初対面、なのに出会ったその瞬間からまるでそれこそ身内のように接していただき、まわりのスタッフの人柄も含めそんな暖かい付き合いが続くことになります。そんな村田さんの強烈なキャラクターが制作会社の持つ“ものつくりの個性”に色濃く反映されてることがよくわかり、それが実際に作品に前向きに影響しています。

 村田さんはTVアニメ創世記の頃からTVCMなどの仕事を経て「鉄人28号」などを手がけます。初めてエイケンへお伺いした時、その当時アニメ作画にスタッフが実際に利用したという30cmくらいの鉄人の実物?フィギュアを手に取らせてもらったときはちょっと震えました。横山光輝先生原作も含めて、当時の幼い僕自身に鉄人の面白さは染み付いているんです。

 エイケンがある最寄り駅は「三ノ輪」。僕にとっての東京下町体験は町並みも味も基本的に村田さんから受け継いでいます。もう“アニメ工場”としか表現できなかった先代の社屋を知ってるスタッフも少ないでしょうね。都電荒川線で通ったこともありますし、今のエイケンビルのお披露目とそこの近所にある「スサノオ神社」は強烈な印象として記憶してます。

 エイケンの小野さん、宣弘社の伊藤さんと僕の3人がプロデューサーとしてがんばった、体温の作品「コボちゃん」。その大きな後ろ盾として指導激励していただき、今なお活躍されてる村田会長。実は植田まさし先生が描く読売新聞連載中の4コママンガ「コボちゃん」は来年連載10000回を迎える予定です。この偉業は今の時代において本当にグレイト!今の時代だからこそまた動き出すべきかも知れませんね、村田さん。