• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民7人目
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  • 2009.09.24

 今週の住民はマッド・ハウスCOOの丸山正雄さんです。

 キティフィルムの故落合茂一さんからアニメ「YAWARA!」の制作会社として丸山さんを紹介されたのは1988年も冬になったころでした。南阿佐ヶ谷の駅近くの事務所に、当時あれほど通うことになるとは思わなかったですね。スタジオの入口と言いスタジオ内の雰囲気と言い、僕には昭和の思い出としてしっかり記憶されてます。

 そんな制作会社マッドハウスは、アニメに少しでも興味ある方でしたら知らない人はいない、もう伝説的なグレイトな会社になってます。その中心の立役者が丸山さん(=マルさん)であることは誰も疑うところではありません。それにしても「YAWARA!」のころのマルさんは、とにかくグルメです、自分で河岸にも行くほど。と思ってたら実はかっこいいステキなお店もやっていた。むちゃくちゃ忙しいので車の荷台でもどこでも眠れる。その睡眠時間がたとえ10分でも、トータル睡眠時間に加算できるほどの実質睡眠である。マージャンの腕はプロ級。みんなで親善マージャン大会「YAWARA!」杯なるイベントを開き、いつでも上位に位置してました。でもお酒は飲みません。

 …あの、すみません、そんなことはともかくマルさんのお仕事ぶりですが、本当に尊敬すべき人です。ご自身の作品に対する制作方針に対して、あるコアの部分は絶対に譲らず、しかし強く大きく推し進めていくプロデュース力は素晴らしい!のひと言です。映画「サマーウォーズ」でもマルさんプロデュースな匂いがステキにただよってます。ずいぶん前ですが映画「ピアノの森」もお疲れさまでした。

 海外でのアニメイベントにも積極的に参加されてますね。以前、米ノースカロライナでのアニメイズメントで、「アメリカだけでも日本のアニメイベントはこれだけあるよ」とすらすら23ものイベントタイトルを挙げられたのには驚きました。まさに全世界に対する日本のアニメの海外文化大使そのものの存在です。先ほど電話したら「今は日本です」って。

 最近あまりにもかかわっていらっしゃる作品が多いので、なかなかウチとは一緒できないですよね。とんでもなく愛嬌のある丸い顔と大きなお腹のマルさんと、僕は次にどんな作品をつくることができるのでしょうか。面白い企画をたくさん立てて、未熟な技術を切磋琢磨してがんばって、その日が来るのを首を長くしてお待ちしていますね。

 最後になりましたがニュースで「クレヨンしんちゃん」原作者・臼井義人さんの訃報を知りました。愛読雑誌「漫画アクション」誌上で彼のデビュー作「だらくやストア物語」から欠かすことなく読み続け「しんちゃん」になって大ヒット。アニメ「コボちゃん」よりちょっと早くアニメ化されてた高視聴率「しんちゃん」を、後発の我々は「局が違っても同じ5歳児ものがたり」とばかりに月曜19時と19時30分は“しんちゃんコボちゃん”の1時間だゾ!って言い張ってたりしてました…。あまりの突然なことに驚きを隠せませんが、心よりご冥福をお祈りいたします。