• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民13人目
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  • 2009.11.05

 今週の住民は10月に小学館を退職された植田文郎さんです。

 “映画 名探偵コナン製作委員会”のチーフとして、アニメコナンのスタート時から作品全体を見渡し、指揮を執ってわれわれスタッフを導いてくれた植田さんですが、僕との最初の出会いは「ビッグコミックスピリッツ」編集部在籍時代でした。

 アニメ「YAWARA!」を企画して小学館に足繁く通うようになったころ、同誌の編集長になられた植田さんに、様々な教育を受けることになったのは必然であります。もろバブルの時代で何でもありのような空気の中で、なにをして良いか、それはちょっと違うんじゃないか、など、植田さんが下す適切な判断はずいぶん勉強になりました。スタッフ中心のいろいろなイベントにも快く参加してくれたり、仕事以外の場でも相当ご一緒しましたね。

 一番の思い出は1991年7月のバルセロナ取材でしょうか。翌年オリンピックが開かれる会場での「1991年世界柔道選手権大会」へご一緒しました。実は当時僕も植田さんもビールが大好き。行きの飛行機で隣になった2人はビールをオーダーし続け、ロンドン到着1時間前にそれぞれ既に13本ずつ缶ビールを空けていて、最後にもらったビールを飲むや否やそれがノンアルコールビールだと指摘、実はエコノミークラスに積んであったビールを飲み干していたのであります。なんとか別クラスからもう1本ずついただくことができ、ご機嫌な旅のスタート?となりました。

 取材は全6名のチーム。その成果は見事に浦沢さんの原作に反映されていますが、TVシリーズの方はバルセロナに行ったところで放送終了、続きは4年後のTVスペシャルを待つことになります。ご迷惑をかけました。その後メディアミックス編集部に異動された植田さんとコナンシリーズでちゃんと再会。その間、仕事以外では何度もお会いしていたのですが、先述のとおりコナン映画でチームを率いていただくことになるとは、これもまた大いなる縁だと思います。本当にありがとうございました。

 その発言や行動、会話の受け答えや果てはゴルフボールの飛び方までユニークな才能を見せてくれる植田さんは、例えば声優さんたちからも特別に慕われています。それはいざという時、居てくれるだけで安心感を持てるその人柄ゆえでしょうか。これからの映画パブリシティや初日イベントで、その姿を見ることができないと思うだけでなんだかさびしい気がするのは僕だけではないですよね。

 実は僕はまだしっかりとした“お疲れ様会”をしておりません。今後も当然のように会えると思うしご指導も受けられると思っているからです。今は心からおつかれさまでした、をお伝えいたします。ですが、これからも懲りずにお会いできるチャンスをくださいね。写真は今年4月の初日大阪イベントにて、左が植田さん、右は小学館コミック編集局CPの都築伸一郎さん。2人ともやんちゃな大人の代表みたいですね。