-
『アニ民347人目』声優の石井康嗣さん
- 2019.05.09
今週のアニ民は声優の石井康嗣さんです。石井さんとは1988年「シティーハンター2」からのおつきあいです。その「シティーハンター2」は実は声優デビュー作だとか。きっかけはもともと顔出し俳優だった石井さん、ひょんなご縁で神谷明さんに誘われて収録してたAPUスタジオに見学にきてたそうな。声優志望じゃなかった石井さんはその収録現場にすごく衝撃を受けた。キャラクターがしゃべってることに生身の人間があてる、その事に実際に目の前で見る前はイメージがわかなかったので、これはオレにはムリだと思ったそう。でも神谷さんにあっさり「また来週くるだろ?」って4週くらい誘われた。その流れで坂東尚樹さんや山崎たくみさんらに混じって、シティーハンターの神谷さんに撃たれる役を順に担当したのが初めての声優体験だったって!
石井さんは和歌山県有田市出身、子供の頃、物心ついたら鉄腕アトムをやってて、番組によって曜日がわかったような時代。ってボクと一緒です。アニメはずっと見てたけど、受験でアニメは見るのをやめて映画を観る。そこで役者は映像の中に残ることが出来ると思い、ラーメン屋にあった雑誌に「三船プロ一期生募集」あって、受験したら実物に会えるかも、なんて言う気持ちで受験したら受かっちゃった。その時はちょっとしたエチュードをやった。経験者がほとんどの中で、未経験だったのでキャンパスが白かったからかな、と。
でも思っていたのと違ったので、2年のところを1年でやめて、新劇を教えてる私塾に通い、その人たちと舞台をするようになる。そんなところにフジフイルムのオーディション情報があったんですね。そのVPの監督がボクも知り合いのひろたたけしさん、そのつながりで神谷さんと知り合いAPU見学につながる。なんかすごいつながりです。つながりと言えば最初のレギュラー「ジャングルの王者ターちゃん」では、檜山修之さんが空手家の役を演じてたのも面白いつながりですよね。さらに「ピンクパンサー」ではピンクパンサーを演じた石井さん、ナレーションが勝平さんだったりして。
初めて「名探偵コナン」に出た時、最初は容疑者役でした。高山みなみさんは「YAIBA」で共演してて、「容疑者だからまた来れるよ」って言われた。犯人やったらしばらく番組に出れないと聞いて、容疑者で良かったと心から思った記憶がある。でもその次に犯人やった時はもうそんなことを言ってられない、と犯人を懸命に演じたそう。そういえば地元が舞台の「名探偵コナン 南紀白浜ミステリーツアー」は地元の刑事役でしたね。
そして今回の「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」では石塚運昇さんの名演を受けて、中森銀三役を受け持っていただくことになりました。石井さん曰く「プレッシャー以外の何物でもない。中森ファンがいる中での交代は絶対注目されるので、本当に緊張しました」。本人が心配した収録ではみなさんご覧いただいたように見事な中森警部です。実は音響監督からOKが出てても自分の納得するまで3回も力いっぱい繰り返し演じてくれたのです。そんな石井さん中森警部の「確保〜っ!」これからご覧になる方はそこも注目して観て聞いてください!
そもそも舞台役者だった石井さん、フジフイルムの店頭用ビデオに出たのが初めての顔出し仕事。そこで一緒したのがなんと山口勝平さん(=かっぺ~ちゃん)。彼が「マスコミの仕事は初めてで…」と話しかけてきて、当時は彼の方が緊張してたそうです。それが「紺青の拳」では石井さんの方が超緊張してしまった…。そんな逆の構図もあって、当時の自分に「実はな、30年後の将来、この山口さんと怪盗キッドと中森警部の役でまた一緒になるんだよ」って言ってあげたいって、くーっ、いい話です!
声優というものに対して、今だにちゃんとした勉強をしていないコンプレックスがあるんですって。でも声優という仕事は受け身、これからもいただいた仕事をさらに一生懸命演じる、という石井さん。お酒は飲めないそうですけど、これからもずっと中森警部も含めてそしてお食事などもよろしくお願いいたします!