• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民24人目
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  • 2010.01.21

 今週はサンライズ取締役・富岡秀行さんです。

 「犬夜叉 完結編」では僕と並んでチーフプロデューサーでクレジットされてる富岡さんは僕と同学年。制作会社業界に3人いる同学年の一人です。とうぜん20世紀の時代からいっぱいお付き合いをさせてもらってきました。前世紀での飲み会はけっこう過激な思い出が多いですね。お互いお酒の勢いも手伝ってはげしいやり取りになってしまったこともしばしば…。

 富岡さんに似合うコトバといえば「現場」でしょうか。お仕事でのお付き合いは「犬夜叉」からですが、いろんな現場で汗を拭き拭き作業しているタオルハンカチな印象が強いですね。まあ、おっちゃんと呼ばれる世代のわれわれは、僕も含めてなぜか汗っかきが多いような気もします。そんなことはどうでもいいのですが、その’現場主義’ともいえる方針で、作品のクオリティをずっと維持してきたそのエネルギーが今の大会社サンライズをひとつ支えてきた、といっても過言ではないでしょう。「結界師」でもこだま監督を中心に、これぞサンライズ!といえるアクションを出血覚悟で見せてくれました。

 あれは2000年のフランス・カンヌのこと。カンヌ映画祭と同じ会場で映画祭の直前に行なわれるMIP-TV(世界中の各種TV番組などを取引するビジネス見本市みたいなイベント)に参加する富岡さんが宿泊していた高級ホテルRのラウンジで、2人っきりでじっくり話し合いができたよね。あれが「犬夜叉」を一緒に始める本当の意味での第一歩だったように記憶してます。

 長く付き合っているので、いくつものトラブルを一緒にこなしてきましたが、富岡さんはどんなことが起きてもその対応がわかりやすく予想できます。人柄なんですよね、安心な感じ。おそらく別な作品でもどんな場所でも何か起きたときの、富岡さんの対応や行動はぼくが見てるのと同じなのでしょう。それを受けてまわりのスタッフがどう動くかもわかる気がするくらい。そしてトラブルは解決へと向かっていきます。

 30年続くガンダムシリーズの前期の現場プロデューサーを務めながら、その人柄と実力でどんどん出世して、制作部門のトップにまで登りつめた富岡さん。いろんな大監督や先輩プロデューサーの指示を血や肉として現場に君臨してきた富岡さん。将棋が強く、旅先でもTVの将棋番組を見ている富岡さん。将棋は勝ち負けでも僕らの仕事はそれだけの面ではありません。

 なのでそろそろお互いに気になるのが身体の健康のことでしょう。とくに富岡さんはいろいろありそうなのでご自愛が必要ですよね。でもまだまだ登るべき道は見えてます。手にタオルハンカチは持ち続け、これからも少しづつ歩み続けていきましょうね。そしてこれも大事!番組スタッフたちの楽しいイベント企画も一緒に維持していきましょう。