• 『アニ民336人目』手塚プロダクション プロデューサー宇田川純男さん
  • 『アニ民336人目』手塚プロダクション プロデューサー宇田川純男さん

  • 2018.11.15

今週のアニ民は手塚プロダクション プロデューサー宇田川純男さんです。ボクは1985年3月21日放送「11PM」でゲストが手塚治虫さんの時にフロアを担当してて、しっかりお目にかかることができました。その際にマネージャーとしていらっしゃった古徳さんの名刺一枚が結果ボクの東京への唯一の切符となります。その年の8月に異動してすぐに手塚プロを訪ねて松谷社長や清水さん久保田さんと会えることになります。それからしばらくして高田馬場で会えたのが宇田川さんでした。

何人かのプロデューサーがいる中で宇田川さんの動きはちょっと特殊です。というか派手な印象はないのに、きちっときらめく作品を仕上げていきます。宇田川さんの仕事でやっぱり一番特徴的なのは「ブラック・ジャック」(=BJ)でしょうか、そうあの1993年からまず10話リリースされたオリジナルアニメビデオ版です。監督は出崎統さん。後にボクとTVシリーズのBJをやることになる久保田さんの後輩として、現場を支えていたのは作品を見ればよくわかります。TVシリーズがまだ夢のまた夢だった当時のボクも一作一作心待ちにして見てたものです。

宇田川さんはそもそも藝大志望で絵を描くことが大好きだったそうです。でも違う大学に行き中退して、作画で一線で活躍してたおじさんの宇田川一彦さんのご縁で、まず土田プロで動画や動画チェックを始めます。一年後にフリーになりタツノコプロや手塚プロで机を借りて活動します。しかし作画に限界を感じ、生前の手塚先生に会えた最後の世代として、制作ならできるかもと先輩プロデューサーに相談して、手塚プロで制作進行の仕事を手がけることになります。初めて関わった作品は「青いブリンク」。そしてほとんど家に帰らずにBJに関わっていったそうです。

先輩監督にもいろいろ無理難題をかけられたそうで、アニメ作品音楽としてオーケストラを仕込んだのですが、録音当日になって監督から思った曲じゃない、と断られたコトも。この時はバラすくらいなら録らせてくれとアタマを下げまくり、とにかく必要最小限の楽曲を録音したそう。もう一つビックリなお話、実はBJの最初の時も声は大塚明夫さんじゃなかったらしく、決まってた人が急遽NGになり、その場にいた大塚さんに急遽お願いしたんだって。結果ボクらも思い切り助けられたことになります。知らなかった!

新座のスタジオでも手塚プロさんのパーティーでも、よく顔は拝見し挨拶はしてますが、なかなかちゃんとお話をできてなかった宇田川さん。先日プロダクションのオープンゴルフで一緒に回ることができました。「あした天気になあれ」向太陽ばりの体格で、ものすごく飛ばすタイプのゴルフでしたね。雨天が予想されてたのに全く大丈夫で、楽しく会話しまくり、ボクも最高のコンディションでできたゴルフでした!…スコア以外は、ですが…(・・;)

今、宇田川さんがプロデューサーとして取り組んでる作品は来年1月放送の「五等分の花嫁」(講談社少年マガジン連載)、監督の桑原さんもBJでお世話になった方です。そしてこれからの事を聞くと、やはり手塚先生の作品のアニメ化をしたいそうです。すぐに口に出た作品は「ユニコ」「リボンの騎士」そしてBJ。うーん、BJはボクもマジ思いますね。まだまだ原作はあるし「BJ21」という新たな世界にもチャレンジしたし。手塚先生ファンとしても何とかしてさらに面白いアニメを開発していきたいものです。宇田川さん、どうかもっと飲食も含めておつきあいよろしくお願いいたします!