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『アニ民334人目』声優の遊佐浩二さん
- 2018.10.04
今週は声優の遊佐浩二さんです。「名探偵コナン」で、服部平次の剣道ライバルとして青山剛昌先生が生み出したキャラクター・沖田総司役をお願いすることになったのです。実はかなり以前から知っていたのですが、このタイミングでいろいろお話を伺うことができました。
今回のキャスティングポイントは、演技はもちろんですが、京都弁であります。幼少期、京都は伏見で育ち、小さい頃は世間を冷めた目でナナメに見てるような、かわいげのない子供だったそうです。中学生で自分の部屋を持ってからは、ラジカセに夢中になり、ラジオドラマをよく聞いていました。声優という職業は前から知っていて、TVでは仮面ライダーや戦隊モノから「マジンガーZ」「ルパン三世」まで、声での演技に憧れたと言います。
「キミも声優になれる」キャッチコピーにひかれて、高校2年の時に「勝田声優学院」の通信講座を始める。教材を見てカセットテープに自分の声を録音して郵送、けっこうコストが掛かったけど当時はそうする以外に手はなく、自分のお小遣いで講座を受け続けた。それにしてもレックボタンを押して自分で話す、強烈にアナログな基盤に好感を持ちますね。あまりその活動を親に言うこともなく、親もまさか声優を目指してるとは思わず。そんな状態で継続、初級から中級の途中で東京の大学に進学、週一の勝田通い。勝田の授業は究極の芝居中心、そしてその後師匠村松康雄さんの劇団でひたすら稽古、なんと当時はゆきのさつきさんと一緒だったそうな。偶然ですが、遊佐さんとさつきさんも一緒に食事してまして、思わず二人して同時に懐かしく遠い目をしてたりしてました…。
思い出深いのは1996年「超者ライディーン」、鳥飼銀牙役が初のレギュラーでした。声優デビューして5年、自分の力を試してみようと、お世話になった事務所を思い切って飛び出すもしばらく苦労が続いたそうです。制作会社スタッフにご挨拶したりディレクターと話したりをがんばった結果、ようやく仕事が続くように。その頃「がんばれロボコン」ロボモグの声を演じる。そこから東映の実写ヒーローもの吹き替え作品に参加、「仮面ライダー電王」につながってどんどん仕事をしていくことになった。
さて「名探偵コナン」です。なんと遊佐さんはコナン1年目の「雪山山荘殺人事件」から参加してくれてます。そして10回以上?いろんな犯人や容疑者を演じることに。曰く「スーパーカーをだまし取られた」「マジシャンで師匠の敵討ち」「遺産の取り分が欲しかった」などさまざまな動機で犯罪を重ねて?いったとか。いや、ホント、すみません!というわけで今回はついに遊佐さんに平次のライバル・沖田総司を演じていただくことになりました。
「犯罪は犯さないでしょうから、もう警察に捕まらなくていい」「みんなに犯人上がりと言われる」など、遊佐さんが正直に言ってる実感が面白すぎます。沖田のオーディションは新一に似せるかどうか悩んだ末に、京都弁を強くして新一に似せた方向からずらせたそうです。
そして今回10月6日と13日前後編でお送りする「名探偵コナン 恋と推理の剣道大会」です。収録では、こんなに先輩方がそろってる現場は少ないので緊張したそうです。高山さんの配慮に感謝しながらも、堀川さんとのやりとりバトルを楽しくがんばったそうで、ネイティブな京都弁の雰囲気がどこまで出せているか、請うご期待といった感じであります。
これからは後輩に背中を見せて参考にしてもらえるようにがんばりたい、と話す遊佐さん。お酒はビール党だそうですが、横でワインを飲んでますので、これからも沖田の剣術のごとく切れ良く楽しい会話をご一緒によろしくお願いいたしますね。