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天空の難破船ダビング
- 2010.03.25
映画「名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)」アフレコの次なる作業はダビングであります。アフレコされた素材はまだ役者の声しか入っていなく、そこに音楽や効果音を重ねていくのがダビングという作業。これをなぜダビングと呼ぶのかはフイルムで作業していたころからのなごりなんでしょうか。アフレコ時に録音演出もしてくれてる音響監督・浦上靖夫さんに聞いてみると“ダビング”と言うコトバは、広義に音作業全般に使われているそうで、アニメの場合はファイナルミックス的な意味を持つとの事。浦上さんの持ってきてくれた電子辞書にも(1)吹き替え、アフレコ (2)ダビング、合成録音、ミキシング となっていましたよ。
浦上さんと音効・横山さんを中心に、ダビングでは全編を6ロールに分けて進めます。このロール分けが劇場でかけるフイルムの巻数になるそうで、とにかく作業は1日1ロールづつ。僕らチェックする方は言われた時間に行って観れば良いのですが、観れるところまでの細かい作業をしてくれてる音響・APUスタジオのスタッフたちは本当に大変です。もう1週間スタジオに寝泊まり状態なことも珍しくないとか。
実は映画のダビング作業は普段使用しない地下の大きなスタジオで行われています。ここの音環境は異常に優れてましてここでハリウッドなんかの映画を観たらその音響クオリティは感動ものでしょう。そのレベルを平気で超えられる作品を創るべく、優秀なセンスと機器技術などを駆使してスタッフが頑張っています。そんな頑張りに山本監督や音楽・大野さんが作業全日程に参加して、最高の作品へと丁寧な詰めをしていきます。
ダビング作業が終わると映画としてはほぼ完成。あとは映画館で使用するフイルムに1本1本焼き付けていくのです。その最初のフィルムのチェック試写を初号試写と言いますが、さてその予定日にはわれわれはどんな気持ちでこの映画を観ることができるでしょうか。その感想はまた次回のこの日記でお伝えしますね。冒頭の写真はYTV東京支社に組み立てられている映画宣伝用スタンディ。飛行船が天井に届きそうな大きさです。同じものがみなさんの近くの劇場にも飾られてるかもしれませんよ。
こうして映画作業をいろいろやっているうちにもTVシリーズの制作・放送も快調に進んでいます。3月27日土曜夜6時「名探偵コナン」はおなじみベテラン脚本家・宮下さんのTVオリジナルストーリー「立証確率ゼロの犯罪」。さて、犯罪だという証明ができない犯罪、と言うのはいったいどんなものなのでしょうか。我らがコナン君の鮮やかな推理攻撃をじっくりお楽しみ下さい。そしてエンディング時にお知らせしている電話でのプレゼントに、みなさんはもう参加してくれてますよね。毎週びっくりするような豪華キャストが、電話でタイムリーな掛け合いを聞かせてくれてます。この電話プレゼント企画、ホント聞かないと損しますよ。だってここで聞かないと今後、おそらくどこにも発表されないものですから。
「犬夜叉 完結編」YTV地区などではついに最終回です。第26話「明日へ」。この回のアフレコのお話は以前この日記でもしました。全部の収録が終わった後、出演者ひとりひとりがそれぞれ「犬夜叉」に対する想いを語ってくれました。正直に白状します。あの時は平気な顔をしていましたが、目頭が潤むのを悟られまいと、おそらく一番努力していたのは僕でした。すべてのスタッフとキャスト、そして応援してくださった視聴者のみなさま、本当にありがとうございました!