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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民37人目
- 2010.04.22
今週は「名探偵コナン」キャラクターデザイン・須藤昌朋さんです。
「名探偵コナン」は原作者青山剛昌先生がキャラクターを創り出しています。そのキャラクターがアニメーションで動いてもそのキャラクターとして保たれる、この当然のようなことが実は非常に困難なことです。コナンのアニメスタートから一貫してこの作業をしてきてくれているのが須藤さんです。
だいたい絵心の無い僕には信じられないことですが、原作にあるキャラはもちろんアニメオリジナルのキャラもどんどん編み出してくれている須藤さん。それらが見事にコナンの世界にバチッとはまっていて全くぶれません。なんとコナンが初めてのTVアニメだそうで、僕との出会いも1995年7月頃のキャラクターデザイン候補としての時でしたよね。机に向かいながらチラッとこちらを見る目つきが鋭い人だな、という印象を持ったのを覚えています。
そんな須藤さん、今回の映画「天空の難破船」で苦労したトコロはテロリストたちだそうです。けっこう細かく描き込みを入れたのに全体的に暗めの立ち位置のキャラなため、そこがあまりわからないのがちょっと悔しいのだそう。いろんな派手な絵をいっぱい描かれた中でその感想ですか、なるほどひとつの作品にもいろんな方々のいろんな見方があるものです。
須藤さんの描くキャラに一番似合う言葉は’シャープな力強さ’でしょうか。キャラの動きに質量を感じる、とでも言いましょうか、ミステリードラマを支えることができる存在感にあふれるキャラとなってます。どちらかと言えば男性キャラの方の印象が強いな、と思うのは僕だけでしょうか。
1日のほとんどが机に向かって作業している須藤さんなのにタイプとしてはかなりポジティブ。一緒に食事をしていてもどちらかと言えば体育会系の言動が目立ちます。なので僕とは仕事の種類は違うのに妙に話の方向が合いますよね、ちょっとワイルド系?の方で。
何年か前ですが新井薬師駅近くの路地を歩いていたら、5階の窓から呼び止めてくれたのが須藤さんでした。ついつられてお伺いしたデスクまわりはそこだけで完結するようなコナンワールド。そういえば少人数での食事会はもうずいぶんご無沙汰ですよね。映画があがった時期にみんなでワイワイやるのも楽しいのですが、数人で全く違う仕事をしているコナン仲間同士で盛り上がりたいものです。とにかくこれからもTVに映画と文字通り’根を詰める’作業が続いていきます。いつでも注ぎ口にもハケ口にもなりますので、これからもどうかシャープな力強いキャラを生み出していってくださいね。