• 『アニ民315人目』 声優の鶴ひろみさん
  • 『アニ民315人目』 声優の鶴ひろみさん

  • 2017.12.21

今週のアニ民は声優の鶴ひろみさんです。鶴さんとの出会いは1987年4月「シティーハンター」と「きまぐれオレンジ・ロード」の合同試写会にまでさかのぼります。ボクとしても文字通り人生を賭けた勝負作品になった「シティー」が月曜夜7時放送、そしてNTV制作「きまぐれ」がその後の夜7時30分放送という、月曜ゴールデン2本立ての華々しいスタートのお披露目でした。両作品とも当時の「少年ジャンプ」看板作品ともあって、東京と大阪で開催された試写会は大盛況で大評判。そんなイベントの楽屋裏で初めてのご挨拶をして、お互い同学年なことも分かったのです。

「きまぐれ」での鶴さんはそれまでの清純マジメな女の子専門?のイメージを破る、悪女系の演技に挑戦しており、「難しいけど意外にこっちの水にも合ってるかも」なんて言ってましたね。お仕事としてはその後の「シティーハンター2」から「名探偵コナン」までベテラン女優の風格しっかりな参加をしていただきましたが、それ以外にもいくつかお付き合いができてます。

まずはマージャン。まだ20世紀の業界はけっこう打つ人が多かったんです。音響スタジオ主催のマージャン大会もあったりして何度か卓を囲んだのですが、同世代の女性とは思えない打ち手に見えました。ボクはその時点でもうのみ込まれているんですよね、勝てるわけありません(笑)美人なのにポーカーフェイスというか、変わらない綺麗な表情も、あれはかなりな武器といえば武器ですよね。

そしてゴルフ。鶴さん所属の事務所・青二プロダクションでは毎年ゴルフコンペを開催してます。参加者の半分以上が役者さんと言うにぎやかなコンペで、ずいぶん前ですが一度一緒にまわる機会がありました。これまたステディというかしなやかなゴルフ。スコアも安定してる中堅上級者とでも言いましょうか。まさに天は二物も三物も与えん、というトコでしょうか。こうして書いてるとガチ勝負をしているわけでもないのに、いろいろ人間として打ち負けてる自分が見えちゃうのがおかしいですね。

役者仲間の舞台を観た後の打上げでご一緒したこともしばしば。どんな場所でも少し控えめな立ち居振る舞いをされてたように感じてましたが、それが逆に鶴さんの凛としたたたずまいを強調してた、そんな印象があります。

11月16日、鶴さんが首都高速の路肩でハザードランプをつけた状態で発見されたというニュースは瞬く間にひろがり、SNSでは役者さんら関係者のメッセージで埋め尽くされました。ボクはその訃報を聞いた時に正直言って少し気が遠くなるような感覚がありました。ハザードはおそらく本人も予想さえできなかった急な状態の中、他の車などに少しでも迷惑をかけないような想い100%で行動した結果なのでしょう。今までもそうでしたが、本当に頭が下がる人です。某TVアニメでは追悼のスーパーも流れたとか。鶴さん、長い間ありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。