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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民57人目
- 2010.09.09
今週は株式会社フライングドッグ代表取締役社長・佐々木史朗さんです。
僕にとってはまさしくビクターの佐々木さん。そんな佐々木さんと初めてお会いしたのは1986年11月でしたか。今でこそ言える「シティーハンター」の音楽・主題歌の相談としてでした。結局その時の主題歌はエピック・ソニーさんになってしまうのですが、佐々木さんとはそれ以来ずーっとのお付き合いになってます。
いつが区切りがよくわからないのですが、佐々木さんは音楽ディレクタープロデューサー作業の制作はもちろん、営業や宣伝から映像制作までビクターさんの領域を超えて活動されてきました。佐々木さんの強力サポートもあって「シティーハンター」では結局、映画企画2回3本、そしてTVシリーズの後「金曜ロードショー」枠のために制作したスペシャル企画3本の音楽に参加協力いただきました。
その当時でよく覚えている曲と言えば、映画「愛と宿命のマグナム」(1989年)主題歌、高橋真理子「十六夜」と、スペシャル1本目「ザ・シークレット・サービス」EDのアン・ルイス「WOMAN」です。あの高橋さんのすごいボーカルは、映画のラスト映像でかっこつけるリョウちゃんに見事に重なり心震わせてくれました。そして極めつけの名曲「WOMAN」。映画「ボディガード」をモチーフとしたこの2時間作品に、世の中のすべての楽曲の中からどうしてもこの曲をあてたい、という熱望をかなえてくれました。その映像を初めて味わったときの感激は今も容易に思い出せます。ほかにも「GET WILD」のカヴァーとかバービーのKONTAさんに声優出演と主題歌とか、限られた土俵の中で面白いことを次々に実現してくれましたよね。
その当時、某スタジオの屋上で夏の「神宮花火」を見たのも強烈な記憶です。音が身体を揺さぶる至近距離での豪快な花火の印象はもちろんですが、屋上に通じるはしごの上り下りがなかなかなもの。その後屋上禁止になったのもうなずけました。ちなみに冒頭の写真(2)は先週佐々木さんたちと行った、某スタジオの近所のお店Cの窓から見た神宮球場の花火。東京ヤクルト戦があったのですね。
今のアニメーションビジネスの中で佐々木さんのされてるお仕事は、業界を支えるユニークなそれでいて大きな支柱となっています。いっぱい作品はありますが「マクロスF」などでは作品本体はもちろん、その音楽世界の確立はCDリリースも含めて見事な手腕であります。
あの有名なビクターのトレードマーク、“ラッパのような大きなスピーカーに耳をそばだて、じっと静かにレコードを聴く犬”の犬を、すっぱり空高く飛ばしてしまったかのような社名「フライングドッグ」。実はこの名前のレーベル、ずいぶん過去にちゃんと存在してたそうですが、佐々木さんが再び取り上げ、さらに高く大きく飛ばしているようです。佐々木さんのトレードマークは“ステキなヒゲと丸い笑顔”です。なのでそのダブルなトレードマーク戦略!?で、これからもこの音楽業界アニメ業界を高く大きく飛ばしていってくださいね。