• 『アニ民294人目』小学館集英社プロダクションの有馬孝真さん
  • 『アニ民294人目』小学館集英社プロダクションの有馬孝真さん

  • 2017.02.09

今週のアニ民は小学館集英社プロダクション(=小プロ)の有馬孝真さんです。有馬さんは身体がすごく大きい人です。丸っこい大きな笑顔がチャームポイントで誰にでも好かれる面を持っていました。もちろんボクも有馬さんがコナン担当を外れてからも、会えばちょっとした冗談を言い合う、そんな仲が永遠に続くと思っていました。そんな有馬さんの突然の訃報が届いたのは、昨年末クリスマスイブのお昼、小学館の浅井認さん(アニ民74人目)からの連絡でした。

こーゆー時は連絡を受けたからって何か出来るものではありません。週明け26日月曜日に、「火曜日お通夜、水曜日告別式」なるお知らせが小プロから届き、我々は表現出来ないつらさ悔しさを抱えながら、そのスケジュールで動かなければいけないことになります。

有馬さんは小プロ入社後しばらくしてTVシリーズ「名探偵コナン」初期の頃にコナンチームに入り、先輩の三野裕久さん(アニ民61人目)に指導を受けていました。なかなか厳しい指導だった、と言うのは先述の浅井さんの弁。ボクも当時を少し覚えていて、と言うのもそれはまだ20世紀、ボクがビール党だった頃に、仕事終わりに一緒にビールを飲んだコトが何回かあったのです。ちなみにその頃のボクのビール党は結構筋金入りで、一日3リットルを毎日飲んでいましたか。いや、一軒じゃなくて行くお店すべてビール、だとこれくらいはいっちゃうんですね。

で、有馬さんもものすごいビール好き。別に勝負じゃないのですが飲みあってお互いを認め合ったような気がしたものです。ほら、思い切り喧嘩したあとハアハア言いながら二人してなかなかやるな、っていう青春な感じ、そんな相手に思えてた記憶があります。ただボクはそのまま打ち止めですが、なんと有馬さんはタクシーで帰る際にコンビニでロング缶2つ買い、帰宅するまでに一本空ける…、後日そのコトを聞いて、これはさすがにかなわないな、と思わせられる強烈なエピソードです。そのおかげで有馬さんと一緒になった時、生ビールを注文して数を間違えて多く来てしまっても、有馬さんやボクの前に置いておけば全くOKな空気だったというのも楽しい思い出です。

コナンの商品化などの版権を担当してくれてた頃は、コナンスタッフと一緒によく旅行に出かけたものです。10年以上前に松江・出雲に行った時は有馬さんのコーディネートで地元の方にお世話になり、ボクは今でもその人とつながっていますが、これは有馬さんの丁寧な仕事のおかげとしか言いようがありません。

コナンをはずれてからいくつかの部署を経て、最新は「エデュケーション事業局新事業開発室」という部署でした。これからご本人大きな身体の通り、文字通り小プロのでっかい柱になっていくはずだった有馬さん。コナンでの経験が何らかのプラスになっていてくれてたなら本当に嬉しいのですが。昨年末の各社忘年パーティーでは何度か会っているのですが、ボクが「小プロって教育事業もすごいですよね」というと「ハハハ、確かに今の部署もかなり大変ですけど面白いですよ」と答えてくれてました。

ボクがビール党から脱退してしまった後も、少しは体調を気にしながらもビールと仲良くしてた有馬さん。一度缶ビールを手にする有馬さんを自宅近くまでお送りし、車を降りてから少しフラつきながらもズンズン帰っていく大きな背中をボクは忘れません。あの大きな有馬さんともっと別な勝負もしたかった。…忘年会後の急な出来事だったのも、有馬さんらしいかもしれませんね。7年前の三野さんも二人とも50歳前で逝くのは納得ができませんが、そちらの会議でもどうかコナンのお話をして下さいね。有馬さん、本当にありがとうございました。