• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民77人目
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  • 2011.02.03

 今週のアニ民は先週久しぶり、と書いたキャラクター・警視庁鑑識課のトメさん役、中嶋聡彦さんです。実はトメさん、鑑識という職業のせいか、2月5日放送「降霊会W密室事件(第二の密室)」のみに登場となります。なので今回ぜひもので登場、ベテランの声優で舞台俳優でもある中嶋さんを、ここではいつものように親方(おやかた)と呼ばせてもらいます。

 親方という呼び方は長年続いた舞台「サクラ大戦」シリーズでの役名、中嶋親方からのようです。あの舞台というか歌謡ショーステージを一度でも観てしまうと、見た目通りといいますか、誰でも中嶋さんのことを親方と呼んでしまうことになっています。僕の記憶では、役者としてのお芝居に加えて、観客に対する振り付けの指導が親方の役目。親方の楽しい振り付け指導がひとしきりあったあと、作品の主題歌に合わせて劇場全体が見事に息を合わせて手を振り回していたのをよく覚えています。

 そんな親方と初めて出会ったのは、親方がかっぺー(山口勝平)ちゃんと一緒だった劇団21世紀FOXに所属してた頃でしょうか。そしてその後、名探偵コナンの鑑識員・トメさんはもちろん金田一少年の事件簿でも何度か出演してもらってますね。僕が一番印象に残ってるのが「犬夜叉」での八衛門狸ですね。ちょっと脱力感あるおじさん的な役は最高でした。

 今や恒例?となっているスタッフ同士の親睦旅行、2002年第1回目の「犬夜叉鉄砕牙ツアー」目的地は、今ちょっと話題になってる久米島でした。沖にある「はての浜」へ出かけたチームとは別に、なぜか僕と親方はレンタカーで島内一周の旅に。泡盛・久米仙の工場やオバケ坂など2人でゆっくりつぶさに回ったのは楽しかったなあ。レンタカーを運転してくれる横顔に、普段のコミカルな演技からはあまり感じられない、落ち着いた大局をみる人柄も垣間見ることが出来ましたし。

 そんな親方だからでしょう、作品に参加して一キャラを演技する役者の道から、作品全体の演出を手がけることになる“音響監督”の道を歩み出したのも必然的なのかもしれません。業界では井上和彦さんも有名ですが、役者だからこそわかる演技や演出のツボって絶対にある気がしますよね。演技も演出もじっくり考えている親方を見てると、なぜか哲学、という言葉が連想されます。

 ということは役者の部分はなくなってしまうの?と思ってしまいますが、しかしコナンのトメさんは不滅です。「トメさんが登場する限りこれはやりますよ」と言ってくれる親方。こーゆー大局の正反対の目線が必要な鑑識という職業を演じられるのも、やはり親方ならではな気がします。これからもそのまーるい笑顔と気さくな哲学で、音響の世界と「名探偵コナン」を支えていってくださいね。