• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民78人目
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  • 2011.02.10

 今週はトリニティーサウンド代表取締役そして音響監督の小林克良さんです。

 この日記でもたびたび触れる番組「ミリオンの扉」。関西YTV放送エリアのみの深夜番組でありながら、山里亮太さん司会によるユニークな視点を持って、関西に特化したちょっと変わったオーディション番組として人気があります。そして僕が何度か携わって来たのが“アイドル声優募集”です。2月8日深夜の放送をご覧になった方はわかったかと思いますが、おかげさまでかなりの応募をいただきました。そして僕も審査をすることになったのですが、その道のプロとして僕がもうひとりの審査員として指名させていただいたのが小林さん。写真は番組パネル前、左が小林さんです。

 僕が初めて出会ったのはもちろん当時小林さんが所属していた、渋谷2丁目にあった音響会社「オーディオ プランニング ユー」であります。そのAPUスタジオまで渋谷駅から六本木通りに沿った坂道を僕も何度通ったことでしょうか。当時新人だった小林さんはこのアニ民にも登場いただいたAPU社長・浦上さんに師事しながら、その独特の演出感覚を磨いていきます。

 小林さんの音響監督としてのスタートは「シティーハンター3」。僕がお世話になった「シティーハンター」や「シティーハンター2」時代にいろいろ修行されて、グングン独り立ちされてく経緯は僕も一緒に育ったようなもの。収録本番前のスタジオの調整卓には一見おとなしそうに見える小林さんが座ってます。特徴は声とイントネーションでしょうか。収録に入るとその演出術のちょっと抑え気味なトーンがきわめて個性的。難しいシーンも小林さんの声“こんな感じでやってみましょうか〜”という説明で、するっとわかりやすく理解する役者さんも多いそうです。ちょっと首をかしげながらも声優の演技に対して鋭い視線を投げかけ、どんな時にも冷静な判断でひとつひとつ演出をしてゆくスタイルは今も変わらないですよね。

 当然アフレコやダビングの本番前はちょっと声をかけにくい雰囲気ですし、仕事の最中はスキがない小林さんですが、仕事終了さあ打ち上げ、となるとすごく気さくな小林さんが登場。独特のいかにもの変わったお店も良く知ってて、「名探偵コナン」の初期の頃も、当時のスタジオ近くや六本木のはずれのお店にもよく連れていってもらったものです。独立してからの小林さんの活躍もめざましいもので、ご自分のポテンシャルステージをさらに大きくしています。でも僕とはなかなか仕事が一緒にならないのでさみしい思いをしてたところでした。

 というわけで「ミリオンの扉」アイドル声優オーディション第一次審査ホントにお疲れさまでした。Aグループと Bグループ合わせて19名を一人約10分づつ見させてもらいました。感想はTVでもお話したのですが、小林さんの「すごくピュアな感性を受け取った感じ」に集約されてます。僕たちが普段行うオーディションは決まったキャラに対してのもの。今回の様な即戦力探る面も持つ光る原石を探すオーディションは、参加する方も緊張したでしょうが、こちら側もチャレンジ精神に満ちたモノとなったことは確かです。小林さん、そしてオーディションに参加してくれたみなさま、本当にありがとうございました!