-
『アニ民279人目』声優・俳優の肝付兼太さん
- 2016.06.23
今回のアニ民は大御所登場、声優・俳優の肝付兼太さんです。ここでは肝付さんのことをいつものようにキモさんと呼ばせていただきます。
ボクがキモさんと初めて会ったのは1986年「ロボタン」ゲストキャラ出演してもらった時、のはずですが実はボクにはその時の記憶がないのです。それよりも当時「ロボタン」に出演してもらってた緒方賢一さんのツテで「劇団すごろく」の前身「劇団がらくた工房」などの公演を観にいきだして、公演後の打ち上げなどでキモさんとお話ができ、それから「劇団21世紀FOX」(=FOX)公演を何度か観にいくことになったご縁でしょうか。
FOXはいろんな小屋で公演してました。新宿のシアターサンモールやシアターモリエールは今もありますが、昨年閉館した新宿スペース107も多かったですね。一番記憶にあるのが歌舞伎町のど真ん中、今は高層ホテルやTOHOシネマズ新宿の場所にあった懐かしき「新宿コマ劇場」の「シアターアプル」での公演かなあ。調べてみたら1997年6月公演、うーむ19年も前なんですね〜。普段小劇場公演チームなのに海や波を感じさせる大仕掛けなステージに感心したことを覚えています。
キモさんの劇団からは何人もの役者が育っています。山口勝平さん(=かっぺ〜ちゃん)・中嶋聡彦さん・百々麻子さん・橘U子さんなど、声優としてボクに大きくご縁がある方も多いのです。声優として会う前に舞台を観せてもらい、その役作りや演技を知ることが大事って、結局キモさんやこの日記でもご紹介した、たてかべ和也さん(=かべさん)から教えてもらったことですね。
キモさんはお仕事では「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」でもお世話になっていますが、実はドラマでTV出演をしてもらったこともありました。2001年10月に放送された岩下志麻さん主演のYTVドラマ「本家のヨメ」です。舞台経験も豊富で演技力も申し分のない、声優分野にいる俳優にドラマ出演いただこうと、当時ドラマプロデューサーもさせてもらってたボクが提案。キモさんには本家に集まった親戚衆の一人を演じてもらいました。ワンショットで抜かれたキモさんの存在感はさすがでしたね。ちなみにこのドラマではかっぺ〜ちゃんにも酒屋の配達人を演じてもらってたんですよ。
キモさんの声優としての実績はハンパなものではなく、TVアニメの創世記前から活躍、YTV初のアニメ1967「黄金バット」、1968「巨人の星」などにも出演してもらっているのです。「ドラえもん」スネ夫、「それいけアンパンマン」ホラーマン、「ドカベン」殿馬一人、「銀河鉄道999」車掌、などは広~く世代に浸透しているキャラクターです。
ゴルフが大好きでよくゴルフコンペで一緒になりました。ずいぶん前に一緒にまわったことがありますが、腕前はかなりなものでボクとは違い表彰式はいつも順位が上でした。見た目が細く華奢に見えるのにどうして、すごいスポーツマンなんですね。
先ほど日記の方にも書いたのですが、このほど「劇団21世紀FOX」はその活動を無期限停止すると知らされ、その最後の公演の最終日に行ってきました。キモさんは北村想さんの「寿歌(ほぎうた)」に感銘を受けて北村さんの作品を多く上演されたと聞いています。実はボクも上京してすぐの紀伊國屋ホール・加藤健一事務所の「寿歌」に強く影響を受け、その後の劇場鑑賞の指針にしてたほどです。なので、キモさんプロデュースの北村さん作品はなるべく観劇するようにしていました。
最近は劇団として新たなアプローチに打って出てる、そんな公演が多かった気がします。最終公演「デンガラガッタ デンガラガッタ」は宮下タケルさん主演の人生回顧モノ。ステージはいつも通りよくまとまっていて、肩のチカラが抜けていて泣き笑い、最後もいいものを観せてもらえました。
というわけで日記にも書いたように劇団休止を受けて、「スワラジ」にかっぺ〜ちゃん、河本浩之さん(=レオさん)、宮下タケルさんに来てもらいました。とんでもなく個性的な3人のお話はぜひ6月22日と29日の「スワラジ」をお聞き下さい。それにしてもキモさん、すごいメンバーたちを育て上げましたね。今まで人生の軸としてきた劇団活動を停止するにあたって、「良い区切り」と言ってるレオさんも、「またハダカ一貫からスタート」と言ってるタケルさんも、「育ててもらって感謝しかない」と言ってるかっぺ~ちゃんも、心中察するに余りありますが、とにかくカッコいいです。
しばらくお会いできてないキモさんにもまた早めに会えることを楽しみにしながら、ボクの社会人時代の青春と言える劇団を、エールを持って見送ろうと思います。キモさん、お疲れさまでした、そしてこれからも引き続きご指導よろしくお願いいたします。