• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民107人目
  • 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民107人目

  • 2011.09.08

 今週は脚本家の島田満さんです。

 もう30年にわたって脚本家の第一線として活躍している島田さんと初めて会ったのは「金田一少年の事件簿」TVシリーズのシナリオ会議の時でした。ここでは島田さんのことをいつものようにミチルさんと呼ばせてもらいます。

 まずミチルさんは美人脚本家として有名です。知り合いの脚本家からもそう聞いてましたが、その愛くるしい笑顔?が業界で評判、初めて会う時には何かと期待にワクワクしていました。で、実際それはそうなのですが、仕事で会ってるので(当たり前です)あまりバカ話しも出来ず、強くツッコミも出来ず、もう少しいろいろお話したかった、なんて印象を覚えています。でもそれはすぐにかなうことになります。TVシリーズのみならず、映画「金田一少年の事件簿2 殺戮のディープ・ブルー」も担当してもらっちゃったからです。

 だいたいミステリー物の作り方で他のジャンルと違うのは“緻密性”でしょうか。ストーリーが進む中でその整合性がより問われるので、脚本家はその部分に異常に神経を使います。面白いアイデアが出て来ても、すぐさまそれを取り入れよう、とはなかなかなりません。そのアイデアによりストーリー進行の変更やほころびが出たりすることはしょっちゅう。で、この映画はそーゆー戦いの集大成とでも言いましょうか。原作者の天樹征丸さんや監督の西尾大介さんという、発想エネルギーのバケモノみたいというか噴火ポテンシャル値マックスというか、よくこんなメンバーとよくやりとげましたよね。いやその、部外者みたいなことを言ってますが、何度かこれはヤバいんじゃないの?的空気があったことは確かです。でもでも大丈夫でした。ミチルさんの持つベースメントが一番強固だったのでしょう、本当にお疲れ様でした。

 それにしても継続されてるその仕事量はオドロキですよね。30年でいったい何作手がけているのでしょうか。女性の目線でっていうのは簡単ですが、結局キャラクターを見つめる人間としての目線がしっかりしているのでしょう。登場人物の輪郭がはっきりしているシナリオが多いですよね。最近も話題になってる深夜アニメ「うたプリ」には注目してます。でもとにかく「名探偵コナン」です。ミチルさんに書いてもらったのは「小さな目撃者たち」(020610放送)、「逃げ回るゲームソフト」(040809放送)の2本。子供たちキャラを中心にした、いとおしいような面白いオリジナル作品でした。でもそれからなかなか新作を拝めていません。

 最近身近なメンバーでよく食事をしてますね。毎度毎度すんごく楽しい会になるそのメンバーのベースが実は「金田一少年の事件簿」時代の仕事仲間たち。作品の放送終了後も一緒でいることがずっと楽しい、これってホントにグレイとであります。ミチルさんをメインにして語り合う“高尚に聞こえるバカ話”がまた新たな企画になったらいいな、なんてこれは本気で考えています。当然高い目標はあってOK、でもそんなことはとりあえずおいといて、会話そのものが気持ち良いリズムに感じられる仲間との時間をこれからも続けていきましょう。そしてとにかくコナンの新作を一本書いてください!これはマルヒツでよろしくお願いいたしますです。