• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民119人目
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  • 2011.12.01

 今週は「神☆ヴォイス」に特別講師の竹田さゆり役で出演していただいた、声優の朴ロ美さんです。ここではいつものようにぱくろみ、とそのまんまで呼ばせてもらいます。

※「朴ロ美」(口は王へんに路)

 実は出会いは意外に早く「名探偵コナン」「ブラック・ジャック」などでゲストとしてお世話になっているのですが、なんと言っても1999年「金田一少年の事件簿」での思い出が一番ですね。金田一はひとつのお話が3,4回のシリーズで続き、その各回アフレコごとに打ち入りとか中入りとか命名して打ち上げと称した食事会をしていたものでした。そしてぱくろみに出演してもらった数週間、なかなかエネルギッシュな空気が流れた打ち上げになったのです。

 どういうことかと言いますと、役者同士の演技に対する考え方など論争です。そのお相手は主役の金田一一役・松野太紀さん[59]。ドラマの上での役柄、それをどう捉えるか。ミステリーゆえのミスリード演出も必要だったりで、答えは一つじゃなく当たり前にいくつも出てきてしまいます。持論であるがゆえに簡単には引けませんよね。なんだか激しい時間だったなあ、と言っても十数年前のお話、みんな若かったんですね。でもこの収集がつかない感じの激論にこの番組への手ごたえを感じてたのは僕だけじゃあないはず。最近ぱくろみ本人が言う彼女の性格そのものに、僕はこの時しっかり触れることができていたんですね。

 映画「神☆ヴォイス」で演じてもらった竹田は、いろいろ悩む主人公二人の先輩として、声優を目指す生徒たちにとっての教えも存在もユニークな講師4人のうちの一人。4人の中で唯一の女性であります。その出演依頼で打ち合わせをしていた時、ぱくろみは「私はアツクルシイオンナなんです。そして声優というものに関してはゆるぎない信念があります。」とキッパリ。そのアツクルシイという表現に彼女の持つ前向きな体温を感じます。

 スタッフと彼女の役どころに関しては打ち合わせを重ね、そしてあのシーンとなります。生徒たちの予想に反した教えをほどこしているその撮影場所は八景島シーパラダイス。強風をもろともせずスクッと立ち、その通る声で毅然とした演技には押し倒されるような圧力があります。そして鞭を持ちドキドキするような際立った黒い皮系の衣装姿には、なぜか気品さえ漂う空気に飲み込まれてしまいました。

 よくぱくろみの話題が出る共通の友人にTMS吉岡P[27]=よっしーがいます。ぱくろみがTMSがある西武新宿線新井薬師駅近くに開いたお店「シーラカンス」に彼は常連です。そして僕ら3人にはパッションというか、なにか方向として共通するものがあるような気がするのです。僕とよっしーは同学年でぱくろみはかなり世代も違うのに。ちょっと不思議です。というわけなのでお仕事で声優としてではもちろんですが、これからも3人でもずっと人間としていろいろ語り合いたいですね。いつでも暴れられるそして暴れ続けられる業界のシーラカンスとして。