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『アニメ村のステキな住民たち』アニ民132人目
- 2012.03.08
今週はトムスエンタテインメントの吉田力雄(りきお)さんです。
名刺には(株)トムス・エンタテインメント営業本部副本部長 参事ライセンス兼業務推進部長となっていますが、今はアニメ制作会社として幅広い作品のビジネス窓口をされてる吉田さんを、ここではいつものように力雄さん、と呼ばせていただきます。なんにせ僕がアニメーションデビューしたのが、1986年1月放送開始の「ロボタン」でこの制作が東京ムービー新社だったのですから、当時のムービースタッフの方々はみんな僕の先輩というコトになります。僕の恩師・加藤俊三P[2]と日々仕事をして過ごしていた時期にはなぜかご一緒した記憶があまり無いのですが、力雄さんは他の作品の制作に携わったりしていたはずです。
そんな力雄さんとしっかりチームとなっていくのは1994年10月スタートの「魔法騎士レイアース」(原作CLAMP)の時です。これも加藤Pといろいろまみれて制作していくのですが、版権や商品化などのビジネス面スタッフとして力雄さんがいました。この作品は原作の力やそんなビジネスサポートもあって第2シリーズも制作される大ヒット作品となりました。
ずっと同じ作品を一緒に背負ってやって来ているのに、制作と営業の違いからか同じテーマでとことん会話したというような記憶があまりありません。なんとなく土俵が違うような印象もあって、毎週ここで一緒に飲んじゃってます、みたいな共通のリズムがなかったんですね。
でもコナンが始まってからあるお店ではよく会うことになります。それは今は亡きメグさんという僕らの恩人とも言える人がやってた「おかん」という名のお店。メグさん自身がおかんと呼ぶのがピッタリのお店でした。そしてそのお店の看板を見事な書でしたためたのが力雄さん。僕も小学校の頃書道をしていた(その塾では特待生!)のでよくわかりますが、力雄さんの書の実力はピカイチであります。お店があった時期にYTVのみで放送した特別ドラマ・天童よしみ初主演「オカン」(2000年9月)の際にもそのPRで使用したかもレベルの、少なくとも当時のそのドラマプロデューサーを狂喜させた店名であり書でありました。
というわけで「名探偵コナン」はスタート時から参加してくれています。と言うコトは僕のアニメーション人生ずっと近くにいてくれてるんですね。コナンでの制作会社の役割は映像制作はもちろんですが、営業や版権管理、それに付随するスタッフサポートなど多岐に渡ります。コナンで言うと映画公開初日の前夜祭や映画制作の際のお祓いなどを仕切るコトまでも含まれます。そしてそのチーフはずっとコナンを知っている力雄さんしかいないのです。
TVシリーズが17年目で映画は次が16作目、もうスタート当初からのスタッフはかなり少なくなって来ました。一番最初を知っていることが大切だとか言うつもりはありません。でも現場百回の刑事の捜査じゃあありませんが、初心を知る原点に戻る、その感覚をいつでも持てるコトが大事だと思います。そんな感覚を持てる数少ないスタッフの力雄さん、最近ではコナンスペシャルで制作してきた「まじっく快斗」にもしっかり参加してくれてます。原点を知ってるからこそわかる、持てる武器の大きさをしっかり理解しながら、まだまだこれからのアニメ制作に撃って出て行きたいですよね。そしてここで僕のお願いです。一度一緒に書をしたためる時間をください!その書を見ながら一献傾けたい、そんな時間がきっと大きなメンタルエネルギーになるでしょう。