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『アニ民250人目』TVアニメ「電波教師」の原作者・東毅さん
- 2015.04.16
今回のアニ民はTVアニメ「電波教師」の原作者・東毅さんです。僕が東さんに初めて会ったのは、少年サンデーに「電波教師」の連載が始まった後に開かれた、小学館主催の年末謝恩パーティーでした。連載始まって5話目くらいのタイミング時期でして、1話からひきつけられていた僕は担当編集者に紹介してもらい、ぜひものでご挨拶させてもらいました。初めて会った東さんは、印象より身体も大きく、丸顔笑顔が突き抜けた大きなおにいさんタイプ。握手してもらった手の大きさと熱さが印象的でした。
本物のオタクが教師になるというだけでもなかなかなのに、その教師としての指導も自らのオタク論理のみで突き抜け、それが意外な効果を生み出していく。こんな設定を考え出すなんてほんとすごい、これはもう一つの革命と言っても良いんじゃないでしょうか。とある生徒の悩みを解決していく指導マニュアルって現実にはそれなりにあると思うのですが、この主人公・鑑純一郎の起こす行動は明らかにその範疇に入っていないでしょうから。
そんな脳天に衝撃を食らった作品を毎週愛読させてもらい、この作品世界に恋するような気分になるのに時間はかかりませんでした。毎年何作か企画を提出しているのですが、東さんの作品をまさかこうやってアニメ化にこぎつけ、シナリオ会議にも出席いただき、何度か食事もご一緒しちゃって、果ては僕のラジオ番組「スワラジ」にまで出てもらえるなんて。
そのラジオでお話ししてもらったのは、「この連載始まる前から2ちゃんねるが炎上した」とか「連載当初準備しようとがんばったが、前作連載からあまり時間がなかったので、5話目のネーム以降はノーアイデアだった」とか、東先生本人が並じゃないコトを証明する話ばかり。中でも「作品がヒットしアニメになったなんて夢がかなった、と言われるが、自分としては好きなことをしているだけで、恥ずかしくてそんな言葉は使えない」という発言は印象的。ご自分の歩むオタク夢街道はまだまだ先が長い、という事なんですよね。
一緒に食事してても話題が豊富でとにかく明るく元気な東さん。マンガ家さんとしてはちょっと珍しいタイプのバイタリティーをお持ちのようです。確かにご本人曰く「自分の描くマンガの世界では俺は神だから」うーん、カッコイイしその通りです。そしてそれは劇中で鑑が言うようなセリフそのままです。
先日横浜で開催された大イベント「サンデーフェスティバル2015」に鑑役の神谷浩史さんらとステージに立った東さん、役者さんらと全く引けを取らないトークを展開。やはり原作者本人がきちっとキャラ立ちしてるのがすごいんだと改めて実感しました。東さんはその場で「熊本が生んだ伝説の電波マンガ家」と自己紹介。そして今後も「人に言えないコトを三日三晩煮詰めた感じ」「YD=やりたい事しかできない、したくない、人間の根源的なコトを煮詰めた自己肯定のキャラクター」というご自分を、いやもとい、鑑純一郎を引き続きよろしくお願いいたしますね。アニメ人気もあって現在少年サンデーで連載中「電波教師 新シリーズ」も大人気で毎週増ページの連続だそうです。お忙しいとは思いますが、どこかで時間を作ってまたアフレコなどにも顔を出し、これからも役者やスタッフたちに極め付けなオタク道を語ってやってくださいませ。