-
『アニ民242人目』声優の水島裕さん
- 2014.11.27
というわけで今週のアニ民は声優の水島裕さんです。ここではいつものように、ゆうさんと呼ばせていただきます。
僕がゆうさんと初めて出会ったのはおそらく1980年代、あの神谷明さんに紹介してもらった記憶があります。その頃はすでに「連想ゲーム」のレギュラー回答者だったりして、大人気声優タレントだったゆうさんに妙に気後れしてご挨拶した記憶があり、それ以降僕はなんとなくゆうさんに距離を感じていた気がします。
実は「名探偵コナン」では放送1年目の「6月の花嫁殺人事件」に出演いただいてますし、その翌年には「金田一少年の事件簿」にも。なのにその頃ちゃんとゆうさんとお話した記憶がないのです。それよりも例えば実写映画でサモハンキンポーの吹き替えや、バラエティー番組で見たり聞いたりする機会ばかりだった気がします。だいたいゆうさんのイメージはいつも明るく元気、ですよね。僕はただただそこがまぶしかったのかもしれません。
それが今年になってスタジオの廊下で何度かお目にかかったり隣のスタジオで出演されてたり、ご挨拶する機会が増えたと思ってたら、ゆうさんの驚くべき舞台に出会うことになります。三ツ矢雄二さん、井上和彦さんと3人のみ出演する「女中たち」であります。当然のように3人とも女装する、そんなイメージの爆笑舞台かと思いきや見事なシリアス調会話劇。分厚い台本の膨大なセリフを3人のみでこなしていかなくてはならない、まずそこにも目がいっちゃいましたが見事な舞台でした。
そこでは役者がセリフを記憶して演じる、役者としては当たり前のこの事実がいかに僕ら一般人と次元が違うものなのか、この舞台を観て改めて再確認させられました。さらにはその演じるというのがまた途方もないレベルの高さ。ゆうさんはもちろん、和彦さんも三ツ矢さんも一種の別世界にワープ、もしかしたら熱に浮かされるような状態の舞台だったのではないでしょうか。
そして念願かなって、ただの憧れが現実になり11月24日と12月1日放送の「スワラジ」に出ていただきました。「演じるということは今でもすごく怖いけど、だからこそ負けまいと燃えるのです」とおっしゃるゆうさん。実は今回は「名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件」に出演していただいたのもきっかけになってます。このコナン初オリジナル2hスペシャルに出演してもらったゆうさん、スタジオのロビーで僕の顔見て第一声が「こんな役は本当に初めて」。簡単に言うと演じてもらうエムのキャラクターの体格がそもそもゆうさんじゃない。それでもご自分なりの役柄像を構築した上で、音響監督などからの指示で自在に演技を重ねて行く姿には改めてアタマが下がりました。
あれはまだ20世紀の頃、僕が家族と訪れた近所の盆踊り大会で、約束もしていないのに何度も偶然出会えてたのがゆうさんでした。思えばあの頃もっと等身大な近所付き合いが出来たら良かったな、と思い出を愛でながらも、こうしてゆうさんとまた新たな歩みを始められたという嬉しさがあります。これは今後の作品作りに重ねていきたいと思っています。いつも楽しませてもらってるゆうさんフェイスブックも、ゆうさんの明るく大きな視野に負けずこちらも自然体で楽しく会話していきたいです。フトしたタイミングでいつも前向きなエネルギーをもらえる、そんなゆうさんの存在そのものをこれからもずっと追いかけていきますね。