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『アニ民241人目』音響監督の岩浪美和さん
- 2014.11.13
今週のアニ民は音響監督の岩浪美和さんです。今、音響監督として最もアブラがノッていると言われる岩浪さん。僕が初めて会ったのは「名探偵コナン」の初期パブリシティ収録のタイミングだったと思います。その頃は岩浪さんは音響監督を始められた頃だそうで、実写映像の演出も同時にしていたのです。
その当時僕がお願いしたのはおそらく取材から編集まで、コナンのTVシリーズをPRする番組の制作だったと思います。それとコナン映画のPRもお願いしてたのでしょう。いろんな取材もしてもらいました。たとえば試写会の後でその感想を、子供さん達にインタビューしているカメラを見たことがある人もいますよね。そーゆー取材を各所スタッフとPR方針などを打ち合わせしながら、手際よく編集してつないでゆく。大きな身体で口数少なく作業して、面白い番組としてまとめ上げ結果で見せる。当時からなかなか手練れなディレクターだなという印象がありました。
その後、岩浪さんは業務を音響監督一本に絞りメキメキと頭角を現し、YTVとしては「乃木坂春香の秘密」などの深夜アニメでお世話になったりします。ただ僕の担当する作品ではなかなか出会う機会が無く、制作会社の忘年パーティーなどで挨拶はするものの、ちゃんと会話することもないまま10年以上が経ってしまいました。
そして今回の「まじっく快斗1412」です。工藤監督や大松プロデューサーと相談しながら音響監督をお願いしたのが岩浪さんでした。こうして一緒に仕事をすると改めて気づくことがいくつもあります。まずアフレコ時の演出法がユニーク。岩浪さんなりに演出ポイントはしっかり押さえてあって、その指示の的確さは後ろで見ていて小気味いいほど。工藤監督やヤマト助監督の意見をすぐに自分の言葉に置き換え、山口勝平さん(=かっぺーちゃん)らにすばやく伝えていきます。僕の経験上、アフレコのスピードは一番早いと思います。
ダビング作業もヘェーていう感じ。機材上でしっかり仕込んだ音素材を、自分のパソコン上で確認しながら、スタジオの外のロビーテーブルに陣取り、そこにあるTVモニターで映像と音響をチェックしてます。音響監督って普通スタジオ内のミキサー卓に座って作業するもんですが、岩浪さんは「この方が普通に一般の視聴者がTVを見る感覚で作っていける」とずっとそのスタイルを通してるそう。その姿は僕が見ている今までの岩浪さんの創作活動姿勢を示しているよう、言ってみれば“ローンウルフ”一匹狼です。
先述した試写会の後のインタビュー、当時はご自分のお嬢さんも参加させたそうです。そうか、コナン映画を観て大喜びしてくれてた子供たちがそうだったのですね。もうそのお嬢さんも成人されたそうで、僕らも歳重ねるわけです。でもその積み重ねも一つの独自のスタイルとしてこの業界を先頭で牽引してくれてる岩浪さん。「まじっく快斗1412」という大きな作品を背負って、これからも面白くもトキトキにとんがった音響制作をよろしくお願いしますね。