• 『アニ民234人目』演出家の角銅(かくどう)博之さん
  • 『アニ民234人目』演出家の角銅(かくどう)博之さん

  • 2014.08.07

 今週のアニ民はアニメ演出家・角銅(かくどう)博之さんです。今は「金田一少年の事件簿R」の各話演出でよくお見かけする角銅さんと初めて会ったのは前作「金田一少年の事件簿」、ではありませんでした。そう思って先日声かけたところ「そうだったかなあ、記憶にないなあ」…ではどうしてそう思ってしまったのか。

 だいたい角銅さんとはいろいろアニメの試写会とかアニメーションイベントでお会いします。一番確実なのは2年に一度開催される「広島国際アニメーションフェスティバル」かなあ。本気で見ようと思えば一日中世界中のアニメに触れられるこのイベントで、貪欲にプログラムを追っかけている角銅さんとすれ違うのはしばしば。時によってはその日のプログラム全てが終了後、有志で集まる食事会でも偶然に一緒になったコトもありましたよね。この2月の「アニメミライ」試写会でもちゃんと来てたし。

 おそらく角銅さんと一番最初に出会ってるのはそーゆー場所なんだと思います。だいたい東映アニメーション出身の監督・演出家である角銅さんとの接点は、やはり東映アニメーションのお仕事でないとなかなか出来ないものです。でも実は2006年の「ブラック・ジャック」では絵コンテで参加してもらってたり、フリーの立場でも大活躍。東映アニメでの数えきれない作品を経て、最近では2012「つり球」、2013「ガッチャマン・クラウズ」などに引き続、今の「金田一少年の事件簿R」へとつながるようです。

 角銅さんは名は体を表す面があり、強面でメタルな強さを感じます。でもお話しすると知識はすこぶる多く、会話は楽しくたとえ話も面白く、バリバリ現役の演出家のそれを感じます。というか演出家として必要なのは積極的な知識欲であり、いろいろなイベントに顔を出して経験値を増やすことだという信念がしっかり伝わります。

 角銅さんのHPを見ると、映画の鑑賞記はまずその観た本数の多さに驚くし、その観た作品に対する時には優しく時には皮肉な目線が多彩で読み物として面白い。現実には多くの自主制作の短編アニメーションも手がけていて、そのクリエイターとしての溢れるエネルギーは、知れば知るほど角銅さんの人となりを示しているようです。

 ここで告白します。角銅さん、実は僕と同学年、同い年なんですね。立場は違えど角銅さんのバイタリティーには感心しますが、ただ感心してる場合ではありませんね。まずは8月23日放送、角銅さん演出の「金田一少年の事件簿R 剣持警部の殺人File2」をしっかり見て、作品の持つ骨太感をもう一度感じるコトから始めてみましょう。そして今度は少人数でじっくりお話させて下さいね、違う道を歩きながらも同じ世界で同じ方向を目指す者同士として。