• ■11月28日
  • ■11月28日

  • 2007.11.28

 みなさま!2008年4月19日全国公開「名探偵コナン劇場最新作(第12作目)」のタイトルをお伝えします。ジャーン!『戦慄の楽譜(フルスコア)』と言います。クラシカルな音楽を大きなテーマに壮大なミステリーが展開します。山本泰一郎監督はそのまま、脚本に3年ぶりの古内一成さんを迎え、「名探偵コナン」の得意分野でもある緻密なミステリーを構築していきますよ。週刊少年サンデーの最新号でも映画タイトルが発表され、青山剛昌先生書き下ろし原画のポスター(これが赤くてホントにかっこいい!)がついちゃってます。このポスター、通常の折込サイズより倍に大きくなっちゃったりしてますので、そちらも早めにちゃんと手に入れてみてね。

 さて11月23日から25日にかけて中国は江蘇省・南京市で日中国交正常化35周年記念 2007「日中文化スポーツ交流年」認定事業 江蘇ジャパンウィークin南京というイベントが華々しく開催されました。3月の日記に大連、上海、杭州という3つの都市を巡って「名探偵コナン」のことや日本のTVアニメに関する講演をしてきた事を書いたけど、その時もお世話になった外務省・上海総領事館の鍋岡さんから依頼を受けて行ってまいりました。イベントが行われた南京市は上海から車で4時間近くかかる場所に位置していて、市街地が今でも城壁に囲まれている歴史的な街です。

 今回は「日本国外務省草の根文化無償協力同時通訳施設贈呈式」における記念講演会であるそうです。すなわち日中文化交流のため、日本から同時通訳できる機材が南京大学に贈呈されて、その記念に関係者や学生たちが集まり式典をし、なぜかスワッチの話をその機材を通して聴いてやろうじゃないか、ということのようでした。ご指名をうけて大変に光栄です。で、ヘッドホンにつながっているこの機材にはチャンネルが2つあってね。チャンネルを切り替えると、話している人の声と同時通訳の人の声と別々に選んで聴くことができるというスグレもの。(写真は、ネームプレートの後ろによく見えないけどヘッドホンと2チャンネル切り替え機材・会場前の告知ポスター・南京大学学内の様子)

 さらにこの講演は先述した3日間の江蘇ジャパンウィークイベントの“こけら落とし”講演となっており、本当にワタシなんかで良いの?と素直に思いましたね。いずれにしろかさねがさね光栄の至りでございました。さて講演の内容ですが日本のTVアニメの話題や現状から始めて、「名探偵コナン」を中心に読売テレビ発の数々のアニメ作品を取り上げて話をします。3月もそうだったのですが、中国でのコナンの人気はホントに高く、今回も300人以上入る会場に立ち見がでる程の盛況ぶりに、改めて身が締まる思いをすると共に、心の底からうれしくなっちゃいます。今回の講演でもまずは“日売テレビの諏訪道彦(37才)”が被害者になって頭を撃ち抜かれてしまったTVシリーズ32話「TV局殺人事件」(単行本11巻収録)の中国語吹き替え版を上映してスタート。

 その後に件の贈呈式をはさみ、話を続けます。ほぼ12年の歴史を持つTVコナンの変遷や映画コナンの話は、原作者・青山先生のミステリーに対するこだわりも含めて、すごく興味を引いたみたいだし、「結界師」「犬夜叉」「ブラック・ジャック」などの制作エピソード話はもちろん、来年1月からは「ヤッターマン」を放送することも告知してしまいました。それにしても、あるセンテンスを話した後、それを通訳の方が話す間、待ってから次を話す、といったこれまでの海外での通訳込み講演スタイルは一新されたものの、この形で同時通訳する方々は大変です。CNN方式とでも言いましょうか。生来落ち着きがなく気が早いスワッチがそのままのスピードで話すとその方々に大変迷惑です。異常な努力でゆっくりお話したつもりなんですが、さて伝わり方はいかがだったでしょうか。同時通訳の南京大学の素敵な女子大学院生のお2人には、おそらくクタクタになるほどお世話になりましたね。質疑応答では声優についての質問も多かったなあ、日本の声優って世界的に注目されてるよね。とにかく講演は好評で学生たちから「コナンの話、楽しかったです」などと言われて素直に嬉しかったなあ。素晴らしい通訳をありがとうございました、そして南京大学側や上海領事館のスタッフのみなさんには本当にお世話になりました。公演直後にはなんとびっくり、サインをする列ができてしまって50人くらいにさせていただきました。こちらもまたちゃんと聴いていただき、感謝です。

 講演とその後ホテルで行われたレセプションには、政府側の代表として衆議院議員・中山泰秀政務官も来中されていて、隈丸上海総領事や江蘇省のトップの方々とにこやかにごあいさつされていました。実は中山さんは大阪府第4選挙区の議員で、出身も読売テレビのお膝元だそうで、大阪つながりで話も盛り上がりました。ホテルレセプションは100人以上が出席する華やかで大がかりなもの。スワッチは中山政務官たちと一緒に20人以上が座れる大円形テーブルへ。半分にしたって「どこから運び入れたの?」って位、大きなテーブルに驚きつつ、南京料理のフルコース、そして中国産のワインを堪能しました。

 このイベントには、戦後の引き揚げ経験をされているような、ベテランの漫画家さんたちも招待されていてね。その中の1人に森田拳次さんがいらしていました。なにを隠そう森田さんはスワッチのアニメプロデューサーとしてのデビュー作「ロボタン」の原作者。一度、蒲田の街でご一緒させていただき、ひとり痛飲してしまったあの記憶から22年。本当にお久しぶりにお会いする事ができたんだけど、スワッチのことはちゃんと記憶してくれてました。終戦体験をテーマにした書籍「私の八月十五日」をロボタンのサイン入りでプレゼントしてくれたんだ。森田さん、ありがとうございました。南京という土地は過去に悲しい事件があった場所。そこで行われた日中国交正常化35周年を祝うセレモニーに参加して、いろんな方々と直接触れ合い、楽しくお話できた事をとても光栄に思っています。南京の町並みの感想や旅のあれこれは次回の日記で書かせてもらうね。

 そして、秋のミステリースペシャルもいよいよラスト!もう秋とは言えない12月3日月曜午後7時は、原作でも大人気だった「服部平次VS工藤新一 ゲレンデの推理対決!」が登場します。ついに真打ち登場!といった感じですか。この作品は、中学生時代の新一と平次がスキー場のゲレンデを舞台にして華麗に推理対決を繰り広げる話でね。映画の撮影中に起きた雪女伝説にからんだ難事件に2人が挑むんだ。特筆すべきは、役者さんたちが普段の高校2年生よりも若いはずの中学生の新一や蘭、園子、平次、和葉を演じている事。この違いを表現する難しさはおそらくわれわれの想像を超えますね。この僅かな違いを見事に演じてくれたその成果を、実際にオンエアを見て確かめて下さいませ。さらにはこの話には新一の両親・優作と有希子、そして平次の両親・平蔵と静華ら、いろんなキャラクターが久しぶりに出演するから、そちらの方も楽しんで下さい。秋のミステリースペシャルの最後を飾る2人の名推理と名勝負?をお見逃しなく!

 ところで中国へ行く前にワイン仲間でもある作家・亜樹 直さんが年に数回開催するワイン&食事会に行ってきました。実はワインを題材にした漫画「神の雫」の原作者としても知られる亜樹さん姉弟が、港区の駐日フランス大使公邸で、ワインの普及に功績があったとして産地から駆けつけた「ボージョレワイン騎士団」に表彰されたんだ。このことは読売新聞の社会面に写真入で記事が掲載されるほどの名誉な出来事なんだ。2人はサングラス姿でボージョレを飲む写真を冷やかされながらも、30人を超える参加者が持ち寄った強烈に素晴らしいワイン30本近くを、素晴らしいフランス料理と合わせてみんな一緒に楽しく華やかに味わいました。吉祥寺のPというお店で催されるこのワイン会、今回は俳優の辰巳琢郎さんもゲスト参加されて、ワインと料理の話に花が咲き乱れていました。