• 『アニ民215人目』 小学館マルチメディア局クロスメディア事業センター・藤森匠さん
  • 『アニ民215人目』 小学館マルチメディア局クロスメディア事業センター・藤森匠さん

  • 2013.12.26

 今週のアニ民は小学館マルチメディア局クロスメディア事業センター・藤森匠さんです。

 藤森さんと初めて会ったのは1985年11月ごろ、僕のアニメプロデューサーデビューとなる「ロボタン」という作品を「てれびくん」などの小学館の雑誌に宣伝してほしく売り込んでいた時。確か藤森さんが「よいこ」という学習雑誌の編集をしていたころでした。その当時小学館には「小学一年生」などの学年別の学習雑誌がたくさん揃っていて、新キャラクターの新番組を読者の子供達に番宣してもらいたく、懸命にその面白さを説明していたのです。あ、僕はその頃、プロデューサー業務をしながら広報すなわち番宣の仕事も同時にしていたのでした。

 現実には「ドラえもん」などの人気キャラクターが目白押しの誌面に、リメイクとはいえ子供たちにとっては全く新しいキャラクターとなるロボタンを掲載してもらうのはかなり大変でした。でもゴールデンタイムの新アニメへの期待値込みということで、藤森さんたちも掲載することを決定していただいて、その後の「ボスコアドベンチャー」に続くことになります。

 その藤森さんが、映像が中心の仕事をする部署に異動されたのは1997 年のこと。TVアニメ「名探偵コナン」でスタート時から一緒に活動している浅井さんの部署の先輩となったわけです。僕が打ち合わせで小学館を尋ねるといつも笑顔で迎えてくれました。藤森さんのメインの仕事は「ドラえもん」の映像関係。映画やTVシリーズでこの怪物とも言えるキャラクターをどう維持発展させていくか。2006年からは映画のプロデューサーとして、また出版社スタッフとしてもいくつもの課題をこなしてゆかねばなりません。毎年3月に公開される映画を中心にして、年年成長してゆく子供達をそれでも楽しませてゆく、これが簡単なことではないことはわかりますよね。

 そのような部署におられるので今でも劇場版「名探偵コナン」の試写会などにも足しげく来てくださり、いろいろ感想をいただきます。この前の「絶海の探偵(プライベート・アイ)」はあんなイージス艦を舞台によくここまでストーリーを作り上げたね、とこちらにとっては嬉しい作り手の目線でほめてもらったりしました。

 実は僕のプライベートでの、藤森さんの一番の思い出は「新宿ゴールデン街」です。僕が東京に来て一番気になるところが新宿ゴールデン街でした。大阪にいた頃「11PM」という深夜のバラエティー番組の取材で一度訪れたことはあったのですが、そんな街に僕を連れだしいわゆる“行きつけの店”を教えてくれたのが藤森さんだったのです。そのスタートとなった店は「ウオターランド」。今はもうありませんが、新宿に限らず僕の東京での飲み方を決定づけたお店となりました。

 そんな藤森さん、今年いっぱいで小学館を退職されるそうです。そして今後は…なんと何もせずに悠々自適な生活を送るって…。僕は藤森さんのプライベートはあまり知らないのですが、ゴルフは好きでなさるでしょうし、長期にわたった映像の仕事も絶対に生活に潤いをあたえますよね。これからは市井からの目線も含めてコナンなどを見てご意見をもらえたら嬉しいです。そしてそんな感想を聞く場所は、もちろんゴールデン街ですよね。今度は僕の“行きつけの店”に連れていかせてくださいね。