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『アニ民212人目』 日本テレビのプロデューサー・中谷敏夫さん
- 2013.12.05
今週のアニ民は日本テレビのプロデューサー・中谷敏夫さんです。
中谷さんと初めて会ったのは、中谷さんがアンパンマン担当を始めた1994年秋にTMSでだと思います。だいたいNTVのアニメ担当者はユニークな人が多く、僕の師匠の一人・堀越徹さんもそうなんですが、中谷さんは何というか破壊的にユニーク。企画の通し方やそれの押し方もパワーあふれるもので、中谷さんに担当してもらう作品は幸せなんじゃないかって思えるほど。
TV局や制作会社に限らずアニメプロデューサーはそれぞれ独自のやり方を持っているものですが、中谷さんのやり方は僕も見習わなくちゃ、と思える面が多いですね。大きな身体に見合った良い意味でのゴリ押しも迫力あるし、その上で相手に対する作品を見渡した目線での細かい配慮もあったりして。
実は中谷さんと僕は結構一緒に番組を作ってます。1996年「YAWARA!ずっと君のことが…」、1999年「シティーハンター 緊急生中継!?凶悪犯冴羽リョウの最期」はNTV金曜ロードショーで放送したこともあって、かなりやりとり会話しながら進めてた記憶があります。ちなみに中谷さんのアニメデビューは映画「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」TVアニメは「それゆけ!アンパンマン」企画立ち上げとしてのTVシリーズは「ベルセルク」だそうです。特にベルセルクは深夜アニメに打って出る気合に満ちあふれていましたね。
その中谷さんがNTV開局55年記念のTVスペシャル「ルパン三世vs名探偵コナン」の企画を言い出したのは2007年春の事。僕が「ヤッターマン」の企画を進めてたころです。いろいろ経緯はあるのですが、この前代未聞のコラボレーションは中谷さんのチカラワザ無しには成立しなかったでしょう。YTV50年企画となる僕にとってもそうですが前例がない行動は、社内外いたるところで壁みたいなものにぶつかります。その一つひとつを丁寧にクリアしていく作業は仕事とはいえなかなか大変。なので特にNTVというキー局の中でのプロデューサー活動は僕も想像できないハードなものがあったと思います。
お互いにいくつも乗り越えて2009年3月金曜ロードショーでルパコナが放送された時は、視聴率も大健闘した事もあって、これはサスガにお互いやった感に満ちあふれましたね。で、それから4年半、今回のルパコナ映画であります。実はTVスペシャルの後すぐ行動を起こし二人のみならず何度も話し合いを繰り返しました。そしてシナリオ開発からこの2年、現状「HUNTER×HUNTER」や「ちはやふる」などの仕事を抱えながらの作業はまたまた大変だったでしょうね。
ここ2週の「スワラジ」でアニメに骨をうずめる覚悟、と語ってくれた中谷さん。実はその覚悟をちゃんと背中で見せるのは先輩である僕の役目かも。本当についに映画公開であります。7日を迎えて目を合わせた時、どんな感情に支配されるでしょうか。
でもすべての基本は健康です。身の細るような経験をおそらく何度も跳ね飛ばしてきたそのでっかい大きな身体を、どうかどうかご自愛のほどを。お互いに気をつけていきましょう。そして二人で何度も話してきた、NTV-YTVというまさにドリームチームを目指して、何事も継続しながらがんばっていきましょう!