-
『アニメ村のステキな住民たち』アニ民206人目
- 2013.10.25
今週のアニ民は俳優の故 石田太郎さんです。
先日の急な訃報に驚いたのは僕だけじゃあないですよね。ドラマ撮影中の出来事だそうで、本当に悲しいことです。僕は石田さんと2度お会いしたことがあるだけですが、その時の会話の暖かさを思い出し悲しみにくれています。
僕にとっての石田さんはそもそも「刑事コロンボ」です。ピーターフォーク演じるコロンボ刑事の吹き替えをされたのが小池朝雄さん。僕の中学高校という青春時代のバイブル作品の一つでした。なので小池さん亡き後のコロンボを演じた石田さんに強烈な憧れを持つのは自然なコトでした。小池さんが表現された日本人が思うコロンボはこれ!というキャラクターを見事に引き継いで推し進めてくれた石田さん。何の違和感もなく「新刑事コロンボシリーズ」も引き続き楽しませていただきました。
あれはそれもあったのです。コナン映画の第一作の事です。「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」森谷帝二役をお願いしたのは僕にとっても必然で当然。あのコロンボに犯人役をしてもらおうという大いなる野望だったのですから。実際に演じていただいて本当に良かった!建築美学に左右等しく対称というシンメトリー手法?をかぶせ狂気に満ちた犯人を感動的に超好演。そして思い切り感謝しなくちゃならないこと、それは結局この映画のヒットが今のTVシリーズ&映画の「名探偵コナン」につながるのですから。
実はTVシリーズコナンでも一度出演いただいています。さらに言うのなら時代はさかのぼりますが「ルパン三世 カリオストロの城」ラザール・ド・カリオストロ伯爵も石田さんです。コロンボとコナンとルパンで僕の中に石田さんが役者として占める面積は、すぐにマックスのフルサイズとなってくれます。
そこへ「宇宙兄弟」の登場であります。あの主人公・六太に対して多大な影響を与えるデニールを演じてくれた石田さん。アニメとしては遺作となるのではないでしょうか。あの破天荒な人生が役者としての石田さんにちゃんと重なるとは思いませんが、積み重ねた人生の厚みみたいなものが、明らかに石田さん本人からにじみ出てくるように思うのは僕だけでしょうか。
訃報連絡はいつも突然です。勝手な事を申し上げますが、実際に撮影中の出来事だとしたら、もしかしたら石田さんにとって幸せなことだったのかもしれません。あのコロンボの飄々さと森谷帝二はじめ数々の悪役?など、石田さんの演じた役がすべて再び輝きを得る。石田さんにこれからも教えてもらうことが数多くありそうです。享年69歳、心よりご冥福をお祈りいたします。