• 『アニメ村のステキな住民たち』アニ民194人目
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  • 2013.07.11

 今週のアニ民は声優の立木文彦さんです。

 「名探偵コナン」ウォッカ役の立木さんと初めて会ったのはもちろんコナン第一話のアフレコの時。ジン(声 堀之紀さんアニ民48)とウォッカの登場が僕にとってのこの二人との初対面。そのおそろしい素顔とはウラハラに、二人してジェットコースター最後尾に並んで乗っていたのが今でも微笑みをもって思い出されます。それから18年、こんなに続くドラマの幕開けになっているなんて、当時は思ってもいなかったですね。そのジンとウォッカが今も物語の主軸として、黒く太く存在し続けてることも

 コナンが決着をつけたい組織の顔となっているこの二人が、その存在の大きさに比例して登場回数が少なくなるのはしかたないことかもしれません。もしかしたら直近の登場は映画「漆黒の追跡者(チェイサー)」だったりして?というわけで何年ぶり?でしょうか。ジンとウォッカの揃っての登場は。「名探偵コナン 漆黒の特急(ミステリートレイン)」2週目(隧道)では、名古屋駅で獲物を狩るのを待つかのようにホームに立つ二人。完全な脅威で敵役悪役なのになぜか登場を期待してしまうのは僕だけでないはず。

 僕にとって立木さんの思い出が強い作品は「ブラック・ジャック」です。みなさま、あのオープニングナレーションを覚えていますか?なぜかクレジットはされなかったのですが、重厚な手触りを立木さんの声に求めたのがあれです。大ヒットしたOP曲ジャンヌダルク「月光花」の歌にすぐ続いての「神のようなメスさばきで奇跡を生み出す命の芸術家。時代が望んだ天才外科医、ブラック・ジャック」。僕としては短い文章に作品の重さ大きさを表現したつもりでしたし、その声のおかげで良いインパクトも残せたと思っています。

 声優はもちろんCMやバラエティーのナレーションで大活躍の立木さん。どのチェンネルのバラエティー番組でも、あのハリのある低音、迫力のある重音が響いています。声を張った時の言葉の強さ、その届き加減が気持ち良いとしか言いようがなく、引っ張りだこになる声であることは間違いありませんよね。

 あれは何年前になるのでしょうか。調布の深大寺公園で珍しくゆっくりとした時間をすごしていた時、偶然公園の反対側から走って来た立木さんに出会ったコトがありましたね。僕は実はそこには年に一度も行かないんですよ。それなのにその時間にそんな場所で出会ってしまう…。それはもしかしたらウォッカみたいな役で数年に一度スタジオでお会い出来る、そんな必然の運命みたいなものかもしれません。

 前回のジンとウォッカ登場の後、堀さんと立木さんと3人で食事した事がありましたね。オレはジンとウォッカと飲んでるぞ、でもワインしか飲まないのだ!なんて大笑いしながらの数時間は今思っても夢のようでした。今やTVから聞こえる一番メジャーな声になってる立木さん。でもこれからもカゲでストーリーを操るような“ジンとウォッカな精神”を、独特の緊張感と重厚さをもってコナンワールドに注入しながらも、思い切り新鮮なダークキャラとして君臨していってくださいね。