失恋したら掛け金の10倍の保険金で癒してくれる…「失恋保険」の噂に誘われ、OL・三崎優子(谷村美月)が辿り着いた先は、四つ葉神社本殿裏の地下室だった。目の前には失恋保険元締めでゲイの宮司・トラコ(古田新太)が座っている。失恋保険の加入面談で優子は、「重い」という理由でいつもフラれた過去の恋愛遍歴を語り、現在片想いの相手である書道教室の講師・垣内宗治(葛山信吾)にフラれたら「もう生きていけない」とトラコに打ち明ける。マジックミラー越しの隣室では失恋保険調査員・マル(福田沙紀)が、同じく調査員のルーク(城田優)へ、優子の恋愛事情をメールで報告していた。
失恋保険加入の条件~指定された日時と場所にて告白すること~に同意した優子は100万円の掛け金と、失恋時の補償希望をトラコに渡し、失恋保険に加入する。告白の指定を無視した場合は契約不履行として掛け金は没収。また、補償希望書には掛け金の10倍までの金額で叶えて欲しい癒し方法を書くことができ、告白後に開封されることになっていた。
契約が成立して優子が去った後、本殿裏地下室に合流したルーク。普段は動物生態学の准教授として講義をする独自の観察眼で、ルークは優子の報告書に目を通す。ハイネックのセーターで季節はずれの厚着をしている優子の写真をじっと見つめるルーク…「季節は春だというのに、なぜ彼女はこんなにも厚着をしている?」と、ルークはマルとトラコにつぶやいた。
「覗きに行こう。彼女の心の闇を」
保険金をビタ一文払いたくないというトラコのプレッシャーの元、ルークとマルは優子の恋愛を成就させるべく調査を開始する。優子と宗治の初デート。中学時代、水泳部だった優子。宗治がその話題に触れると、優子はバツの悪い笑みを浮かべる。マルと共に尾行するルークは、その笑みに含まれた"困惑"を見逃さなかった。食事後、優子は宗治を押しやって強引に支払いをする。その上遅くならない内に帰ろうとする宗治の手を握り締め、離れない優子…上手く距離感のとれない優子の「重さ」に、宗治の心が離れていく。この恋の成就は難しいのか、と感じるマル。だがルークは、不器用ながらも宗治と向き合おうとする優子の姿に、彼女が抱えた"心の闇"を見切っていた。
「経過報告を承ります」との、四つ葉神社からのメールによりBARクローバーに呼び出された優子が店に行くと、バーテン姿に変装したルークがカウンターに立っていた。ルークは神社の人は急用で帰ったと伝え、帰ろうとする優子にお酒を勧める。ほろ酔い加減で自らの恋愛を嘆く優子にルークは、カッコウが他の鳥の巣に卵を産み、その鳥に育児をさせる話をする。そんな状況でも卵からかえったカッコウの子供は大空に羽ばたく、と。突然の話に戸惑う優子にルークは、「人間に大切なのは"捨てられた記憶"という過去ではなく、まだ見ぬ未来なのではないか」と優子に伝えた。その言葉に目を伏せる優子。ルークは翌日、優子を苦しい片想いから解き放つため、告白の時間と場所を指定する。
「告白の時間です」―――優子に届く四つ葉神社からのメール。ルークが用意した告白場所は、プールだった。
恋愛心理テクニックを駆使したルークの告白ミッションが幕を開ける。
果たしてルークは、優子の恋愛を邪魔する彼女自身の"心の闇"を取り除くことができるのか。そして、優子の気持ちは宗治に届くのか。しかし、告白と同時に暴かれた優子に潜んだ"闇"は、優子自身が無意識の中で育て上げていた驚愕の悪夢だった……
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