新・ことば事情
3996「ppm」
「情報ライブミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」のコーナーで、「和歌山県太地町の町民の髪の毛の水銀含有量の検査をしていたら平均の4倍の水銀が見つかった」という記事の下読みをしていた入社3年目の山本隆弥アナウンサーが、
「道浦さん、この水銀の単位の『ppm』の読み方は、『パーツ・パー・ミリオン』でいいんですよね?」
と聞くので、
「ええ!『ppm』は『ピー・ピー・エム』だろう!そんな細かい読み方、聞いたことがないよ!」
「でも、辞書には『parts per million』と書いてありますが・・・」
「正式にはそうかもしれないけど、普通はそのまま『ピー・ピー・エム』だよ!」
結局このネタは放送されませんでしたが・・・。
私ぐらいの世代が子どもの頃は、毎日「公害」のニュースが流れていて、その中で毎日のように「ppm」が出てきましたが、若いスタッフに聞くと誰も「ppm」を知りませんでした。
一般的には「公害」は1970年代の象徴的なもの、1980年代生まれの山本アナウンサーが知らないのも無理はないかもしれません。こういう時代は、いい時代なのかもしれませんね・・・。
しかし、つい先日も「アスベスト」被害の裁判で判決が出たように、実は「公害」は終わっていない。また、新たな公害が、いつ起きるか分からない。そのためには過去の「公害」についても学ぶ必要があるのではないか。特に「伝え手」であるマスコミに身を置くものとしては。
だから「ppm(ピーピーエム)」、覚えといてください。微量の含有量を表すときの単位で、
「100万分の1」が「1ppm」
です。「ミリオン(100万)でパー(割る)」という意味です。
ちなみに「%(パーセント)」は「100分の1」=「セント(100)でパー(割る)」ですから「パーセント」。(「ppm」はその「1万分の1」ということですね。)「%」は「100」を図形化したもの。
そして「1000分の1」の単位は、「‰(パーミル)」。「ミル」が「1000」ですから「1000(ミル)で割る(パー)」から「パーミリオン」。「1000」を図形化した単位記号です。たまに出てきます。