新・ことば事情 3725
「『素晴らしい』と『素晴しい』」
10月17日、作曲家の加藤和彦さんが亡くなりました。62歳でした。自殺の可能性があるとのことです。残念です。
そのニュースを伝える際に、代表曲の一つとして紹介したのが、
「あの素晴らしい愛をもう一度」
その字幕スーパー、字幕チェックのスタッフOさんから、
「道浦さん、間違ってますよ」
と指摘されました。どこが違ったかと言うと、
×「素晴らしい」→○「素晴しい」
なのだそうです。「ら」は要らない、とのこと。後で、レコードのジャケットを確認すると、たしかに、
「あの素晴しい愛をもう一度」
となっていました。
Googleで検索してみると(10月19日調べ)
「素晴しい」 =24万4000件
「素晴らしい」=30万6000件
と、送り仮名の基準に従った「素晴らしい」の方が件数は多かったのですが、「素晴しい」も結構ありました。また、(10月22日調べ)
「あの素晴しい愛をもう一度」= 5万3900件
「あの素晴らしい愛をもう一度」=11万000件
と、「間違った表記の方が多い」結果でした。
いずれの表記にせよ、加藤さんの生み出したメロディの、
「すばらしさ」
には、いささかも変わりはありません。
合掌・・・。
(2009、10、19)