狐火流し殺人事件
File.4
白狐村を舞台にはじめのカブスカウト仲間の茉莉香、光太郎、凛が次々と殺害された今回の連続殺人事件。白狐様の祟りと村人たちを怖がらせた事件を解くカギは6年前のキャンプ中に起きた遭難事件に隠されていた。事件の謎を全て解いたはじめは灯籠4つを準備し、流し場に犯人を呼び出す。この後、流し場に姿を現したのは陸だった。はじめは命を落とした茉莉香、光太郎、凛、そして陸がよく知る人物のために狐火流しをやると伝える。そして、はじめは事件の真相を1つ1つ解き明かしていく。
最初は2ヶ月前に茉莉香が殺害された事件。はじめは何らかの理由があり、陸と茉莉香は白狐稲荷で会ったと推理する。その時、ナイフを所持していた陸。はじめは揉み合いの拍子にナイフが陸の腕に刺さり、カッとなった陸が茉莉香を殺害したと考える。陸は自分の返り血が茉莉香の服に付着したため、遺体を狐の嫁入りに見立てて服を持ち去ったと睨む。陸は社の床に飛び散った血を服で拭い取った後、遺体を茉莉香の家の土蔵に運び込んだのだ。そして、陸は土蔵の電話が通じていると知り、残りの2人も狐に見立てて始末できる完全犯罪を閃く。陸は頭に浮かんだ計画をすぐに実行。皆に届いた電報は土蔵の電話から注文されたものだった。陸が皆を白狐村に集めた理由は2つ。1つは仲間に紛れて自分も電報で呼ばれた1人と印象づけるため。もう1つはターゲットの光太郎を呼び寄せるためだった。
この後、はじめは陸が5分もかからずに光太郎の遺体を川に流し、流し場に戻ってきたアリバイトリックを暴く。はじめは陸が遺体を流したのは流し場から2分とかからない田んぼの用水路と推理。陸はゴムボートを用水路に浮かべ、灯籠に火をつけて下流の水門を開いたのだ。灯籠のロウソクの燃え具合を調整したのは釣り場から流したと思わせるためだった。大事なアリバイを確保するため、ロウソクは1本消えた時に備えて2本にしたのだ。陸はそのトリックは誰でもできると犯行を否定する。
続いて、はじめは凛を殺害した時に鉄壁のアリバイを手に入れた陸の巧妙なトリックを暴く。昨夜、狐火流しに一緒に行ったはじめ、美雪、心平、美咲、陸。はじめは陸が白狐稲荷に着く直前に暗がりに乗じて皆から離れ、裏手から凛の所へ向かったと推理する。凛が殺害されたのははじめたちが出かける前。陸は凛が生きていると思わせるため、背後から二人羽織のようにして、はじめたちに手を振ったのだ。これなら2分もあれば犯行は可能だった。さらに、はじめは陸が犯した決定的なミスを指摘し、動かぬ証拠も突きつける。陸は観念して犯行を認める。陸の母親が6年前の遭難事件の直後に急死した事が今回の事件の発端だった。陸は3人の悪ふざけによって母親が命を奪われたとはじめに打ち明ける。そして、陸は3人には償いをさせたと訴え、6年前の悲しい事故、動機や犯行について語り始める…。
登場人物
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桃瀬心平
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霧谷凜
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鐘本あかり
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梨村亮
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緋森美咲
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蝉沢忍
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神小路陸
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乾光太郎
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月江茉莉香